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胃腸・消化器関連

ポリカルボフィルカルシウム (コロネル®・ポリフル®)の特徴について~食後服用の理由も~

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ポリカルボフィルカルシウム (コロネル®・ポリフル®)の特徴について触れる。食後の服用についても載せている。
過敏性腸症候群の下痢にも便秘にも使える薬剤であるため処方されるケースは多い。
いくつか注意点などがあるので整理しておく。 

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ポリカルボフィルカルシウム(ポリフル®)作用機序と特徴について

①ポリカルボフィルカルシウム (コロネル®・ポリフル®)の特徴について

効能・効果

「過敏性腸症候群における便通異常(下痢、便秘)及び消化器症状」

※「下痢型」と「便秘型」の両方に効果を示すのが良い所
※あくまでも対症療法

用法・用量


「通常、成人にはポリカルボフィルカルシウムとして1 日量1.5~3.0gを 3 回に分けて、食後に水とともに経口投与する。」

※下痢の時は、1.5gからスタートする方が望ましい
※「食後」というのもポイント。下の方に理由は載せている。
※2週間くらいで効果が出るか確認する必要がある。
添付文書にも下記のような記載がある。

「症状の改善が認められない場合、長期にわたって漫然と使用しないこと。
(通常 2 週間)」

薬理作用

ポリカルボフィルカルシウムは、非溶解性のポリアクリル樹脂である。

胃内の酸性下でカルシウムとポリカルボフィルに分離する。

ポリカルボフィルは腸管内で水分を吸う(高い吸水性)

ゲル化することで便の水分量を調整する。
※ゲル化により、腸内容物の輸送を抑制するため、
排便回数も減らすことが出来る。

調整するところがポイントで
下痢型と便秘型の両方に使える理由である。

※便形状のコントロールに使われる。
※中性条件下で水分を吸収する。
※酸性条件下では水分を吸収しにくく膨潤しにくい。
※ポリカルボフィルカルシウム1g中にはカルシウム200mgを含む。
→ニューキノロン系抗菌薬との併用に注意する。
(キレート形成)

服用時の注意点

錠剤が大きいため注意点があり、多めの水で飲む必要がある。
あまりに飲みにくい場合は、散剤も存在するため変更することも出来る。

添付文書(薬剤交付時の注意)
「服用後に途中でつかえた場合に、膨張して喉や食道を閉塞する可能性があるので、十分量 (コップ1 杯程度)の水とともに服用させること」

②食後服用の理由

酸によりカルシウムが離れて薬の効果を示す。
そのため、胃酸がたくさん出ている「食後」が効果的ということで
設定されている。

また、酸性の条件が大切であるため、
制酸剤、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬(PPI)などと服用するとカルシウムの離脱を妨げる可能性があることから併用注意に記載されている。

※ポリカルボフィルカルシウムは体内吸収されない

参考資料
コロネル®、ポリフル®、添付文書、インタビューフォーム