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医薬品リスク管理計画 (RMP)について~服薬指導で活用しよう~

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医薬品リスク管理計画 のことを知っているだろうか。
普段の業務で添付文書やインタビューフォームを活用している医療従事者は多いと思う。
今後は、医薬品リスク管理計画(RMP)も主役の1つになるだろう・・・
ということで簡単にまとめる。

①医薬品リスク管理計画 (RMP)とは?

(独)医薬品医療機器総合機構によると
「医薬品リスク管理計画書(RMP;Risk Management Plan)は、「開発」「審査」「市販後」の一連のリスク管理をひとつにまとめた文書です。「開発~審査」から「市販後」へのリスク管理の架け橋を担う文書」とのこと。

※医薬品医療機器総合機構のホームページで添付文書情報などを閲覧する人は多いと思われる。その場所にRMPの項目があるので見て欲しい。
簡単に確認することが出来る。

②医薬品リスク管理計画 と添付文書に違い

リスク内容などが記載されていることは同じだが、ちょっと角度が違う。

添付文書の問題点

承認時のデータが少なすぎる場合がある。
例えば、何かのデータの母数(N)が数人だとか・・・
高齢者や小児のデータが少ないとか・・・
妊婦は?授乳は?など困ったことが沢山あると思う。
それを補う可能性があるのが医薬品リスク管理計画である。

医薬品リスク管理計画 の特徴

上記のような不足を補うだけでなく、
因果関係がまだ分からない潜在的な副作用などのリスクについても書かれていたりする。

【(独)医薬品医療機器総合機構】の説明では、下記のように記載されている。
「RMPに記載されている3つのリスク(重要な特定されたリスク、重要な潜在的リスク、重要な不足情報)は、まとめて「安全性検討事項」と呼んでいます。この安全性検討事項に対し、どのように「情報収集」をするのか、またどのように「情報提供」をするのかがRMPに記載されています。RMPでは、「情報収集」のための活動を「医薬品安全性監視活動」、「情報提供」などのリスク軽減・回避のための活動を「リスク最小化活動」と呼んでいます」

※RMPは安全性について色々な角度から検討してくれている。
メーカーは、これに基づいて患者向け資材を作成していくことになる。

③どう活用するのか?

・初めて薬局で医薬品を採用したときに確認する
・服薬指導や経過フォローの際の参考にする
・何をモニタリングすればよいか分からないときに参考にする
・RMPに基づいた医療者用資材や患者用資材で学習し活用する
・添付文書に載っていない副作用の可能性があるときに活用する
など色々これから活用の幅が広がるのではないだろうか

④保険的な意味でも重要に!?

薬局の業務で薬剤服用歴管理指導料を算定するケースは多いと思う。
この中でRMPという具体的な言葉が記載されていることから
今後重要になってくると考えられる。

2020年度の調剤報酬改定で文章が追加になっている。

薬剤服用歴管理指導料の項

「(2) 薬剤の服用に関する基本的な説明
患者ごとに作成した薬剤服用歴の記録に基づいて、処方された薬剤の重複投薬、相互作用、薬物アレルギー等を確認した上で、次に掲げる事項その他の事項を文書又はこれに準ずるもの(以下「薬剤情報提供文書」という。)により情報提供し、薬剤の服用に関し、基本的な説明を患者又はその家族等に行うこと。また、必要に応じて、製造販売業者が作成する医薬品リスク管理計画(RMP:Risk Management Plan)に基づく患者向け資材を活用すること。」

なんと・・・薬局薬剤師も今後は活用しないといけない様子・・・
RMPに基づく患者向け資材を理解して服薬指導する必要がある。
メーカーなどにRMPに基づく患者向け資材を求めていくと良いかもしれない。薬局内で「この薬は何を確認しよう」とか共通認識を持つと業務が上手くいきそう!

参考資料
3分で分かるRMP講座 日本薬剤師会
(独)医薬品医療機器総合機構ホームページ