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シナール配合錠 について ~製剤的な工夫や粉砕不可の理由も含めて~

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シナール配合錠について~粉砕不可の理由も含めて~

シナール配合錠 とシナール配合顆粒との違いも簡単にまとめる。粉砕不可の理由を知っておくと便利だと思う。

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シナール配合錠について

シナール配合錠1錠とシナール配合顆粒1gは同じ量である。

薬効成分

・アスコルビン酸
・パントテン酸

効能・効果

「本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し,食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患,妊産婦,授乳婦等),炎症後の色素沈着
なお,効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない」

※本来であれば、食事が普通に摂れていればビタミンCが不足することはない。
たたし、何らかの理由で必要な場合は出されることがある。
「炎症後の色素沈着」があるため、シミやソバカスに対して使う。

※薬剤師業務でも大切だが、「漫然と使用すべきではない」という文面は、気に留めるようにしておくこと。
疑義照会など適切に薬剤師業務を行う必要性がある。

作用機序

アスコルビン酸とパントテン酸を併用することでお互いの作用を助ける意味がある

【アスコルビン酸】
アスコルビン酸は、ビタミンCであり水溶性ビタミンである。
また、コラーゲンの生成に関わり、メラニンの色素沈着を抑える作用などももつ。
さらにアスコルビン酸が不足すると出血しやすくなり、傷の治りが悪くなるなどの症状が出るため、
ちょっとした処置の後のキズの治りを良くするため処方される。
アスコルビン酸がパントテン酸欠乏に対し防御的に働く

【パントテン酸】
パントテン酸はメラニン色素の形成を抑制し,既成メラニン色素の還元を促進する
アスコルビン酸投与時に少量のパントテン酸を併用すると血中及び副腎中濃度が単独に比べて増える。
アスコルビン酸と少量のパントテン酸を併用することで、皮膚機能に及ぼす効果が単独に比べて増大する。

シナール配合錠 の調剤上の注意

「アルカリ性薬剤,吸湿性薬剤との配合は避けること。」
「配合時の粉砕は避けること。」

※アスコルビン酸は、アルカリ性に対して不安定であり、湿気があると酸化分解されやすい

シナール配合錠 の製剤的工夫と粉砕不可の理由

本来は物理化学的な性質により配合禁忌である。そこで製剤的な工夫がされている。
インタビューフォームに詳しく記載されているが、アスコルビン酸は酸性であり、パントテン酸はアルカリ性のため、両剤の用時配合使用は禁忌とされている。

「シナール配合錠は安定性を確保し、賦形剤を減量するためパントテン酸カルシウムを上下層に、アスコルビン酸を中間層に配した3層錠である。なお、外観からは3層錠には見えない。」
「シナール配合顆粒はアスコルビン酸を含む顆粒とパントテン酸カルシウムを含む顆粒を別々に造粒(分離被覆)し混合した製剤である。いずれも両ビタミンの直接接触を避ける工夫がされている」

※配合錠は2つの成分が接触しないように3層構造、顆粒はそれぞれの粒が混ざっている。
そのため、粉砕をしてしまうと接触してしまうため不可である。

参考資料
シナール配合錠、添付文書、インタビューフォーム

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コメント

  • […] シナールとハイシーの違い について簡単に整理する大きな違いはないが、ヒヤリハット事例でも検索ヒットするように紛らわしい部分がある。ちなみに、シナールにも顆粒製剤があるため、ハイシー顆粒と間違えないように。一般名処方だと勘違いする人がいるのかもしれない。関連記事シナール配合錠 について ~製剤的な工夫や粉砕不可の理由も含めて~ 鉄剤とビタミンC ~吸収を改善するため併用はした方がよいの?~ […]

    by シナールとハイシーの違い について~どんな時に使うかざっくり整理~ | いなかの薬剤師 2021年4月9日 7:00 AM

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