" />

その他

抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SAIDH)による低ナトリウム血症の「なぜ」と「薬剤」

スポンサーリンク

抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 は、バソプレシン分泌過剰症とも呼ばれる。
SAIDH:Syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone

関連薬剤のサムスカの単独投与については下記の記事を参照のこと
トルバプタン(サムスカ)の特徴について~単独投与可能な場合は?~

①抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 による低ナトリウム血症

抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 とは?

抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SAIDH)は、低ナトリウム血症があるのに
バソプレシンによる抗利尿作用が持続している状態である。
特徴としては、「体液量」は正常であるため、脱水や細胞外液量増加のある病態と鑑別する必要性がある。
脱水の所見は見られない

抗利尿ホルモン不適合分泌症候群の低ナトリウム血症の「なぜ」

バソプレシンの分泌過剰により腎臓における水分の再吸収が亢進する。

循環血流量、別の言い方をすると細胞外液が増える

細胞外液が増えるため、血液が薄まる感じになり低ナトリウム血症を起こしてしまう。
さらに生理的な作用により、循環血流量が増えてしまうと腎臓におけるナトリウムの排泄が進むため、
ナトリウムの血中の濃度は下がってしまう。

原因

原因は、様々である。病気からのこともあれば、薬剤的な副作用の可能性もある。

【原因疾患の例】
・髄膜炎
・くも膜下出血
・脳梗塞・脳出血
・脳腫瘍
・頭部外傷
・肺炎
・気管支喘息
など
※一部だけ抜粋したが、本当に多い。ただ、ホルモンの病態ということで頭部との関連は高い。

【原因薬剤】
・カルバマゼピン
・アミトリプチリン
・イミプラミン
・SSRI
など

②抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 による低ナトリウム血症の薬剤

点滴による対応

血清ナトリウム濃度が 120 mEq/l 以下であり、中枢神経系症状を伴うなど速やかな治療を必要とする場合
→3%食塩水を点滴投与する。
※フロセミドの静脈内注射も併用することあり
※血清ナトリウム濃度上昇じゃ、24 時間で 10 mEq/l 以下、48 時間では 18 mEq/l 以下とされている
超えて下げる場合は、5%ブドウ糖液の投与をすることがある

内服による対応

【モザバプタン(フィズリン)】

適応症がかなり限られる。

「異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群における低ナトリウム血症の改善」

成人にはバソプレシン V2 受容体拮抗薬モザバプタン塩酸塩錠(30 mg)を 1 日 1 回 1 錠食後に経口投与する。
投与開始 3 日間で有効性があれば、引き続き 7 日間まで継続投与することができる。
→効果を確認する必要がある
※既存治療で効果不十分な場合に限る

【トルバプタン(サムスカ)】

異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍の文言がない

「抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)における低ナトリウム血症の改善」
成人は、トルバプタンを1日1回経口投与する。開始用量は7.5mgである。
また、必要であれば最高用量は、60mgまで使う事がある。

※トルバプタン(サムスカ)の単独投与が許されるケースである。保険上問題ない
※水分制限を実施しても低ナトリウム血症が改善していない場合にのみ適用となる
水分制限とは、「1日の総水分摂取量を体重1kg 当り15~20ml に制限する」とされている。

参考資料
間脳下垂体機能障害の診断と治療の手引き 平成 30 年度改訂
フィズリン、添付文書
サムスカ、添付文書