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糖尿病・糖尿病治療薬

1型糖尿病とSGLT2阻害薬 について

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1型糖尿病とSGLT2阻害薬 について簡単に触れる
2020年現在で1型糖尿病に適応が通っているSGLT2阻害薬は、イプラグリフロジン(スーグラ®)とダパグリフロジン(フォシーガ®)の2つだけである。

1型糖尿病とSGLT2阻害薬

そもそも1型糖尿病に使うのか?どういうケースがあるか簡単にまとめる

使用目的

1型糖尿病の人は、基本的にインスリンを注射している。
SGLT2阻害薬は、インスリンの血糖を下げる作用と異なる。
そのため、インスリンだけではコントロールが不良な人は、インスリンとSGLT2阻害薬を併用することで効果的に血糖を下げることが出来る。

※血糖コントロールが不十分な場合に併用する
※インスリンとは別ものなので、インスリンを完全に中止することはない

注意点

インスリンとSGLT2阻害薬を併用する場合は、
SGLT2 阻害薬の適正使用に関する委員会から出されている
「SGLT2阻害薬に関するRecommendation」を知っておく必要がある。

以下の事が書かれている。

「1型糖尿病患者では、インスリンの過度の減量によりケトアシドーシスリスクが高まる可能性に留意し、慎重に減量する(方法については下記参照)。

1-a) 血糖コントロール良好(HbA1c<7.5%)な場合、開始時に基礎および追加インスリンを10~20%前後を目安に減量することを検討する。

1-b) 血糖コントロール良好でない(HbA1c≧7.5%)場合、服薬開始時の基礎および追加インスリンは減量しないかあるいはわずかな減量にとどめる。

2-a) 経過中、血糖コントロールが改善し低血糖が顕在化した場合は、血糖自己測定や持続血糖モニタリングの結果に応じ、患者自身で責任インスリン量をすみやかに減量できるよう指導する。

2-b) ただし、上記の場合でも患者にはインスリンを極端に減量することは控えるよう指導する。特に基礎インスリンの減量は治療前の20%を越えることは避け、慎重に減量すべきである。」

※HbA1cが7.5より低ければ、必ずインスリンを減量すること
※どんな場合でも基礎インスリン減量は、20%以上は行わないこと

添付文書上は?

【イプラグリフロジン(スーグラ®)の場合】

インスリンの1日投与量を15%程度減量推奨

【ダバグリフロジン(フォシーガ®)の場合】

1日の投与量の減量は、20%以内推奨

併用時の注意

・併用による低血糖
・インスリンの減量しすぎによるケトアシドーシスへの注意

※ケトアシドーシスとは?
急激な血糖値の低下により、代償的に脂肪酸の代謝が亢進
血中ケトン体が増加することで起こる。悪心嘔吐などが起こる。

詳しくはこちらの記事も参照のこと
糖尿病におけるケトアシドーシスについて~シックデイもざっくりと~

参考資料
SGLT2阻害薬に関するRecommendation SGLT2 阻害薬の適正使用に関する委員会
スーグラ®添付文書
フォシーガ®添付文書