" />

循環器

左室リモデリング と心筋梗塞について~壊死と壊疽の違いも~

スポンサーリンク

左室リモデリング とはなんだろうか。心筋梗塞については、本当に軽く触れて
左室リモデリングについて整理する。言葉遣いや表現が間違っていれば是非ご指摘いただけるとありがたい。
自分自身忘れやすいので簡単にまとめる。

関連記事
心不全のステージと左室駆出率による慢性心不全の分類(HFrEF・HFpEF・HFmrEF)について

心筋梗塞と 左室リモデリング

心筋梗塞とは?

心臓の冠動脈が詰まってしまい、血液が流れなくなる。
その結果、心筋が壊死してしまうことである。

【狭心症との違い】
狭心症は、血管の内径が狭くなることで完全に血液の流れが止まっているわけではない。心筋が壊死してないところが違う

左室リモデリング とは?

心筋梗塞などの虚血が状態が発生すると心機能が低下してしまう。

心筋梗塞が起こった心筋は使えないので・・・

心筋梗塞が起こっていない心筋が頑張るしかない・・・

ただ・・それだけでは十分な心拍出量を得られない

そのため、体の代償機構が働く

Frank-Starling機序により左室容積が大きくなる

容量負荷に基づく左室壁応力(wall stress)が上昇する

その代償として残存心筋の肥大が生じてしまう

高血圧などの圧負荷が続くと・・・心筋が伸長し・・・

左室腔が大きくなってしまう。

左室拡大・左室駆出率低下などが起こる。
(左室リモデリング)

※心筋梗塞後、数週間から数か月のうちに起こってしまう
※心筋梗塞を起こすと心筋の収縮力が落ちるので心不全が起こる
また、心室性の不整脈(心室頻拍、心室細動)は起こりやすい。
※心拡大が起こると僧帽弁尖が引っ張られて、逆流が起こったりする

【補足】
Frank-Starling機序とは?
心臓の1回拍出量を決める法則のことである。
正常な心臓の状態であれば、心臓に入ってくる血液量(前負荷)が多くなると、1回の拍出量が増える。ただ、心臓のポンプ機能が低下すると前負荷が増えても・・・1回拍出量が増えてこない状態になる

③壊死と壊疽の違い

意外と勘違いしやすい2つの言葉について触れる。

【壊死】
生体の一部の組織や細胞が死ぬことである。
→細胞の機能は無くなってしまう。
例としては、心筋梗塞、火傷などがある。

【壊疽】
壊死に陥った細胞が、菌による感染を受けて、黒変し、
悪臭を放つようになったもの
起炎菌として一番多いもの・・・クロストリジウム

参考資料
Chisato Izumi: Evaluation and treatment of left ventricular remodeling. J Jpn Coron Assoc 2012; 18: 239–244

Picard MH, Wilkins GT, Ray PA, Weyman AE: Natural history of left ventricular size and function after acute myocardial infarction.Assessment and prediction by echocardiographic endocardial surface mapping. Circulation 1990;82: 484–494