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循環器

アミオダロン (アンカロン)の特徴について

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アミオダロン (アンカロン)の特徴について簡単にまとめる。
副作用については別の記事でまとめている
アミオダロンと副作用についてはこちらを参照 

【ワンポイントまとめ】
・多くのチャネルを阻害するが、左室機能(EF)を下げない
・一時的な使用であれば副作用は少ない。(蓄積性の副作用に注意)
・β遮断作用もあるのでレートコントロールに使える
・肝代謝なので透析の人にも使える

頻脈治療について~レートコントロールとリズムコントロールの目的・違い~

アミオダロン (アンカロン)の特徴

心筋梗塞後の不整脈に使われることがある。踏み込むと、心不全を合併した頻脈性不整脈に対して使える。「心室」・「心房」の両方に効果を示すのが特徴である。一般的には、心不全の予後を悪化させないため、ガイドライン上でも心不全患者に対する抗不整脈治療の第一選択薬となっている。
しかし、予防的投与は、推奨されていない。

※左心機能が落ちている患者の突然死の一次予防としては、アミオダロンは死亡率を改善しないことが報告されている。
※心不全の重症例に関しては、死亡率が上昇する可能性がある

薬理作用

ヴォーン・ウィリアムズ分類(Vaughan-Williams分類)のⅢ群に分類される。
心筋の再分極に関わるKチャネル遮断作用により、活動電位持続時間、有効不応期を延長させる。結果として心臓の異常な電気の流れを鎮める。

加えて、NaチャネルやCaチャネル、β受容体の遮断作用も発揮ため、
心拍数の増加や血圧を下げる作用もある。

様々な作用があるため、
心房性、心室性不整脈に対するリズムコントロールや
心房細動へのレートコントロールにも使われる。

効能・効果

添付文書によると・・・
「生命に危険のある下記の再発性不整脈で他の抗不整脈薬が無効か、又は使用できない場合、心室細動、心室性頻拍、心不全(低心機能)又は肥大型心筋症に伴う心房細動」

※他の抗不整脈が無効か使用できない場合というのがポイントである。
アミオダロンが第一選択薬のケースはあるが、添付文書上の記載も押さえておくとよい。

用法・用量

「導入期:通常、成人にはアミオダロン塩酸塩として1日400㎎を1~2 回に分けて1~2週間経口投与する。
維持期:通常、成人にはアミオダロン塩酸塩として1日200㎎を1~2 回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」

個人的に非常に覚えにくい・・・導入期の方が1日量は多い。

必要な検査

副作用についての詳しいことは別の記事でまとめるが、
アミオダロンを内服するにあたって様々な検査が必要となる。
基本的には、「投与前」、「投与1か月毎」、「投与3か月毎」である。
詳細は、添付文書で確認して欲しい。

一部載せると・・・

・胸部レントゲンか胸部CT
・肺機能検査(%DLCO)
・血液検査
・尿検査
・甲状腺検査
・眼科検査

※診療科によっては眼科検査のハードルが高いかもしれない
アミオダロンの副作用についてはこちらを参照

その他の特徴

・脂溶性が高く、分布容積が大きい
・効果発現に時間がかかる(数日から3週間程度)
・半減期が長い

【半減期に関する警告の記載】
「本剤を長期間投与した際、本剤の血漿からの消失半減期は 19~53 日と極
めて長く、投与を中止した後も本剤が血漿中及び脂肪に長期間存在するた
め、副作用発現により投与中止、あるいは減量しても副作用はすぐには消
失しない場合があるので注意すること」

参考資料
日本循環器学会、日本心不学会
急性・慢性心不全診療ガイドライン2017年改訂版
アンカロン®添付文書、インタビューフォーム