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薬物動態・相互作用

オルメサルタンとカモスタットの一包化 ~メトホルミンも含めて調剤に気を付けよう!~

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オルメサルタンとカモスタットの一包化 について。メトホルミンも注意である
オルメサルタン(オルメテック®)とメトホルミン(メトグルコ®)
あるいは、オルメサルタン(オルメテック®)とカモスタット(フオイパン®)を一包化して、高温多湿状態で保存するとメトホルミンやカモスタットが変色することがある(メーカーによって異なる)。

①オルメサルタンとメトホルミン・カモスタットの一包化

添付文書に変色のことが書かれているメーカーは基本的に一包化は避けた方がよい。

変色の理由

オルメサルタン(オルメテック®)が高温多湿の条件下で
加水分解してしまう

ジアセチル(ガス)が発生する

メトホルミン・カモスタットのグアニジド基とジアセチルが反応して変色する。

※湿度75%の条件下でメトホルミンが14日後
カモスタットはメーカーによるが、早いもので7日程で変色するとのこと
(第一三共からの返答)

※ちなみにオルメサルタン自体は、変色しない

添付文書上の記載

添付文書に記載されている例をいくつか載せる。
記載がないメーカーもあり、
採用の際、迷う場合は一緒に着色のデータなども問い合わせると良いだろう。
ちなみに下記に示す先発品はすべて「避ける」ように明記されている。

・オルメテック®
「薬剤調製時の注意
本剤をメトホルミン塩酸塩製剤又はカモスタットメシル酸塩製剤等と一包化し高温多湿条件下にて保存した場合、メトホルミン塩酸塩製剤又はカモスタットメシル酸塩製剤等が変色することがあるので、一包化は避けること」

・フオイパン®
「本剤とオルメサルタン メドキソミル製剤等との一包化は避けること。一包化して高温多湿条件下にて保存した場合、本剤が変色することがある」

・メトグルコ®
「本剤とオルメサルタン メドキソミル製剤等との一包化は避けること。一包化して高温高湿度条件下にて保存した場合、本剤が変色することがある。」

メーカーによる工夫

メーカーによっては、変色しないような工夫がされている。
オルメサルタンの例としては、「オーハラ」。この面だけ見れば、先発品より優れているとも言える。
「オーハラ」フィルムコーティングによりジアセチルが発生しないように工夫している。そのため、着色しない。

対策

・どちらかをPTPシートのまま調剤する
(テープ止めなど工夫する)
・湿気が原因の一つであるため乾燥剤を添付する。
(ただ、避けることと明記されているので保険上は厳しいか・・・)

参考資料
第一三共問い合わせ
オルメテック®添付文書、インタビューフォーム
メトグルコ®添付文書、インタビューフォーム
フオイパン®添付文書、インタビューフォーム
大原薬品工業問い合わせ