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循環器

プラスグレル (エフィエント)の特徴について

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プラスグレル (エフィエント)の特徴について
服薬指導で何となく説明しているかもしれないが、意外とクロピドグレルの違いがあったり面白いので簡単にまとめる。
「経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される虚血性心疾患」に使うというのは大前提なので知っておくこと。

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クロピドグレルとCYP2C19について

プラスグレル (エフィエント)の特徴

作用機序

生体内で活性代謝物となる

血小板膜上のADP受容体(P2Y12)と選択的、非可逆的に阻害

血小板凝集を抑制

※効果はアスピリン同様、血小板の寿命まで持続
※血小板凝集抑制作用は5日間で定常状態に達する

【その他の特徴】

・脳梗塞予防のためのプラスグレルは推奨されていない

・重要な基本的注意の抜粋
「血小板凝集抑制が問題となるような手術の場合には、14日以上前に投与を中止することが望ましい」
「血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)等の重大な副作用が発現することがあるので、投与開始後2ヵ月間は、2週間に1回程度の血液検査等の実施を考慮すること」

※チクロピジンと違って「考慮」という文言になっている

・血小板凝集作用の速さは、クロピドグレルよりプラスグレルの方が速い

用法・用量

「通常、成人には、投与開始日にプラスグレルとして20mgを1日1回経口投与し、その後、維持用量として1日1回3.75mgを経口投与する。」

※「抗血小板薬二剤併用療法期間は、アスピリン(81~100mg/日、なお初回負荷投与では324mgまで)と併用すること」

DAPTの際は、アスピリンと併用する必要がある

②クロピドグレルとの違い

適応症

【プラスグレル】

「経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される下記の虚血性心疾患
急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)安定狭心症、陳旧性心筋梗塞」

※PCIの適用が必要である
※プラスグレルには、「虚血性脳血管障害(心原性脳塞栓症を除く)後の再発抑制」と「末梢動脈疾患における血栓・塞栓形成の抑制」がない

【クロピドグレル】

「・虚血性脳血管障害(心原性脳塞栓症を除く)後の再発抑制
・ 経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される下記の虚血性心疾患急性冠症候群
(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)
安定狭心症、陳旧性心筋梗塞
・末梢動脈疾患における血栓・塞栓形成の抑制」

※プラスグレルより適応症が多い

代謝酵素

クロピドグレルは、CYP2C19の遺伝子多型により血小板凝集抑制作用に差が出てしまうが、プラスグレルは、CYP2C19に左右されない(CYPの代謝が少ない)。
安定した血小板凝集抑制作用を示す。

参考資料
エフィエント®添付文書、インタビューフォーム
プラビックス®添付文書、インタビューフォーム