ノイロトロピン の特徴について紹介する。意外と使われている薬剤である。
ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液含有製剤(ノイロトロピン®)について簡単にまとめる。
ノイロトロピンの粉砕の話も入れている。
ノイロトロピンの特徴
効能・効果
「帯状疱疹後神経痛、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、変形性関節症」
※帯状疱疹後神経痛にも使われるのがポイントである
用法・用量
「通常、成人には1日4錠を朝夕2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」
【用法・用量に関連する使用上の注意】
「帯状疱疹後神経痛に対しては、4週間で効果の認められない場合は漫然と投薬を続けないよう注意すること」
※錠数が基本的に多くなることと、帯状疱疹後神経痛に使う場合、効果がないと続けられないことに注意する。
疑義照会の対象となる。
作用機序
ノイロトロピンは、プロスタグランジンやオピオイド受容体などに作用しない。
非ステロイド性消炎鎮痛剤やオピオイド製剤との違いである。
末梢においてブラジキニンの遊離抑制作用を示し、鎮痛効果を発揮する。
他にも、モノアミン作動性下行性疼痛抑制系の活性化作用や末梢循環改善作用なども考えられている。
その他の特徴
・副作用が少ない
・忍容性が高く使いやすい
・ノイロトロピンは噛まずに服用すること
・フィルムコーティングを施しているので、粉砕混合は避けること
※理由は次の項で説明する
ノイロトロピンの粉砕
フィルムコーティングなので基本的には粉砕はお勧めしていない
(添付文書上に記載アリ)
【理由】
製剤による独特の生物臭があるため 非常に飲みにくいのだ。臭さがある。
感じ方に個人差があり、人によっては大丈夫との報告はある。
臭いは、「湿気」が関係しているため、湿気が高いと臭いが強くなる。
粉砕した場合は、防湿した方が親切である(乾燥剤などの工夫)。
他にもし、臭いが気になるときは、トロミをつけたりすればマスクできる可能性が有る
粉砕により、力価が低下することはないので絶対出来ないということではない。
つまり、臭いけど効果は維持できるので粉砕は可能な部類なのだ。
ただし、しっかり問題なく患者さんが飲めているかの確認が必要だろう
ガイドライン上の位置づけ
神経障害性疼痛薬物アルゴリズムにおいて、帯状疱疹後神経痛(PHN)では、第一選択薬として考慮することが出来る。また、その他の神経障害性疼痛に対しては第二選択薬の位置づけである。
安全性が高く使いやすいためガイドライン上の評価は高い
参考資料
日本臓器製薬株式会社 問い合わせ
ノイロトロピン添付文書
神経障害性疼痛薬物治療ガイドライン