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痛み・鎮痛剤

ジクトルテープの特徴 について

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ジクトルテープの特徴 について簡単に整理する。成分はジクロフェナクである。
元々発売されていたジクロフェナクテープと違い全身作用を目的として貼付剤である。

2022年度に適応が拡大している

ジクトルテープの特徴

大きさはモーラステープ20mgと同じである。
がんに効能効果があるNSAIDsの貼付剤はジクトルテープのみ(2021年)

効能・効果

「各種がんにおける鎮痛」
「腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎」

※がんの指定はないため、がんにNSAIDsを使う場合に幅広く使うことが出来る。

用法・用量

【各種がんにおける鎮痛】

「通常、成人に対し、1日1回、2枚(ジクロフェナクナトリウムとして150mg)を胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部に貼付し、1日(約24時間)毎に貼り替える。なお、症状や状態により1日3枚(ジクロフェナクナトリウムとして225mg)に増量できる。」

【腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎】

「通常、成人に対し、1日1回、1枚(ジクロフェナクナトリウムとして75mg)又は2枚(ジクロフェナクナトリウムとして150mg)を胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部に貼付し、1日(約24時間)毎に貼り替える。」

※背中、腰、大腿部にも貼れるため使いやすい
※全身作用を目的としているため、「がん」から離れていても問題ない。効果を発揮する
※貼る場所は毎回替えること

【用法及び用量に関連する注意】
「本剤3枚貼付時の全身曝露量がジクロフェナクナトリウム経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから、1日貼付枚数は3枚を超えないこと。本剤投与時は他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は可能な限り避けることとし、やむを得ず併用する場合には、必要最小限の使用にとどめ、患者の状態に十分注意すること」

※3枚で内服のジクロフェナク100mgと同等である。
※内服の消炎鎮痛剤との併用は避けるべきとの記載があるので注意

禁忌

全身作用を目的とした貼付剤のため内服のNSAIDsと同様の禁忌が設定されている。
一部抜粋すると
・消化性潰瘍のある患者
・重篤な腎障害のある患者
・重篤な肝障害のある患者
・重篤な高血圧のある患者
・アスピリン喘息の患者、既往のある人
など

注意すべきポイントは多い。

剥がれた場合の対応

ジクトルテープは、貼り直し出来ない。
新しいものを貼るようにすること
その後、貼り替え予定時間に新しいものに貼り替えること

向いている人

▶普段、湿布を複数枚、複数個所貼っている人
▶夜間疼痛が酷い人(内服薬で効果が切れる場合におススメ)
▶錠剤が飲みこめない人

その他の特徴

・薬物放出システムが優れており、体内への吸収がよいとのこと(調査中)
・3枚とジクロフェナク内服100mgは同等
・ハサミで切ることは出来ない。そのまま貼付
・ジクロフェナクは比較的COX-2選択性が高い
・内服と違い食事に関係なく貼ることが出来る

・胃腸障害は経口投与のジクロフェナク錠よりも少ない(ラットの試験)
→直接的な暴露が少ないためだろうとのこと(メーカー問い合わせ)
→COX1阻害作用に必要な濃度とCOX2阻害作用に必要な濃度差を利用して、COX2阻害作用がほとんど生じないように工夫している

・7日以降に定常状態に達する
・元々、がん疼痛に対する鎮痛の効能・効果を有する非オピオイド鎮痛薬は、経口剤、注射剤のみであ
り、ジクロフェナクナトリウムを含むNSAIDsに限れば注射剤のみのため活躍の場面はありそう。
・抗がん剤で吐き気や嘔気がひどいとか、内服困難な場合など針を刺す必要がないため患者本人の負担が少ない

参考資料
ジクトルテープ、添付文書、インタビューフォーム
久光製薬問い合わせ