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センノシドと大腸メラノーシス

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センノシドと大腸メラノーシス について簡単に整理する。
センノシドに限らず、いわゆるアントラキノン系の下剤全般に言えることである。
例えば、センナ・センナ実(アローゼン)、大黄、アロエなどである。
OTCなどの一般用医薬品にも含まれており、ドラッグストアでも買える種類の下剤なので注意する必要がある。

関連記事
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センノシドと大腸メラノーシス

服薬指導の際に、下剤の効果判定や排便回数、形などを確認することは大切である。
ただし、センノシドなどの下剤を長期間服用している場合は、「以前より効きにくくなっていないか?」など確認することで、より一層良い服薬指導になるのではないだろうか

アントラキノン系の薬理作用

アントラキノン系下剤(センノシドA、B)を服用

小腸からは吸収されず

大腸に到達する

腸内細菌由来の酵素の分解によりレインアンスロン(活性体)となる

筋層間神経叢(Auerbach神経叢)を直接刺激する

蠕動運動を促す。
また、水とナトリウムの吸収を阻害して便に対する湿潤作用をもたらす作用もある

排便する

※アントラキノン系が誘導する蠕動運動
結腸内の便を近位から遠位へ広範囲に移動させる蠕動性収縮
→大腸全体に効果が及ぶのも特徴的である。

大腸メラノーシスとは?

アントラキノン系の下剤の長期服用にて起こる。
大腸に色素が沈着して肥大化しまい動きが悪くなってしまうのだ。
結果として、便秘を解消したいのに便秘がひどくなったり、下剤(緩下剤)が効きにくくなる。
内視鏡などの検査で黒く見えるため大腸黒皮症とも言われる。

発生機序

アントラキノン系薬剤の長期使用すると・・・

大腸粘膜上皮細胞が傷ついてしまう・・・

大腸粘膜上皮細胞のアポトーシスが起こる

死滅した細胞を体の免疫細胞であるマクロファージが食べる

リポフスチンという褐色色素に変化する(黒色の原因)

マクロファージが粘膜固有層に蓄積してしまう

結果として、内視鏡などで黒く見えると考えれている。

※色素沈着だけでなく、神経細胞が減るのでアントラキノン系の下剤の効果が落ちてしまう

※可逆性のため、原因薬剤を中止すると元に戻る。ただし戻るまでに1年かかるとも言われており、長い期間を要する。

※メラニン色素の沈着ではない

※センノシドの添付文書の副作用の項にも「大腸メラノーシス(長期連用の場合)」と記載されている

医薬品の例

・センノシド、プルゼニド
・ヨーデルS糖衣錠
・アローゼン
・大黄甘草湯
・麻子仁丸
など

参考資料
Portalatin M, Winstead N : Medical Management of Constipation. Clin Colon Rectal Surg 25 : 12―19, 2012
守安洋子:臨床で役立つクスリの知識.神谷光男編.医学芸術社,228―232, 2007.

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