マイクロ飛沫感染 と飛沫感染について簡単に整理する。
色々な概念が出てきてややこしいなぁと思ってみたり・・・
厚生労働省の資料などから抜粋してまとめている。
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マイクロ飛沫感染 について
マイクロ飛沫と空気感染の2つの概念は違うので注意する必要がある。
マイクロ飛沫感染
新型コロナウイルス感染症で注目されている「空気感染」とは分けて考える必要がある感染経路である。
メディアなどで散々言われている「3密」と「大声」に関連する感染経路である。
この「3密」と「大声」の環境になると接触感染や飛沫感染に加えて、マイクロ飛沫感染が起こりやすくなる。
そのため、スポーツの応援は拍手だけとか・・・声を出さないようにとか・・・黙食とか言われている。
※3密:「密閉」、「密集」、「密接」
【マイクロ飛沫感染とは?】
「マイクロ飛沫感染」とは、微細な飛沫である「5μm未満の粒子」が、換気の悪い密室等において空気中を漂い、少し離れた距離や長い時間において感染が起こる感染経路である。
小さな飛沫がマイクロ飛沫となって広範囲に漂うのが特徴である。
なお、いわゆる「空気感染」は結核菌や麻疹ウイルスで認められており、より小さな飛沫が例えば空調などを通じて長い距離でも感染が起こり得る。
「マイクロ飛沫感染」と「空気感染」とは異なる概念であることに留意が必要である。
※新型コロナウイルスは、空気中に長時間漂いやすく、空気感染まではないが、マイクロ飛沫感染を起こすことが分かっている。換気が悪い空間は特に注意が必要である。
換気の目安
2つの目安を示しておく。参考資料は、このページ末に載せている
・日中は、1時間に1回程度、1回10分程度の換気を行う
・毎時2回以上の換気回数とする。
(30分に1回以上、数分間程度窓を全開にする)
※換気回数とは、部屋の空気がすべて外気と入れ替わる回数を言う
補足:飛沫感染
「飛沫感染」とは、患者が排出した病原体が飛沫により運ばれて生じる感染のこと。
咳や会話により発せられた飛沫を吸い込むことで感染する。通常1~2m以内の距離の人に感染が起こる。
【病原体の例】
・インフルエンザ
・マイコプラズマ肺炎
・ジフテリア
・おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
・風疹
など
※インフルエンザに関しては、空気感染もあり得るう
補足:空気感染
患者が排出した病原体が、飛沫核と呼ばれるとても小さい粒子となり、空気中に運ばれて生じる感染のこと。
患者から離れていても感染するのが特徴。
【病原体の例】
・結核
・水痘
・麻疹
など
参考資料
一般社団法人日本環境感染学会「高齢介護施設における感染対策第1版」2020年4月3日
厚生労働省「換気の悪い密閉空間を改善するための換気の方法」2020年4月3日
厚生労働省「第4回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード啓発資料」2020年7月30日