センソ含有強心薬 と救心について解説する。CMではよく目にするが・・・一体どんな薬なのだろうか簡単に整理する。
センソ含有強心薬と救心
センソ含有の強心薬には、救心や六神丸などが販売されている.
センソ含有強心薬の効果
センソ、ゴオウ(牛黄)、ロクジョウ(鹿茸)などの動物由来の生薬が主体となって構成されている。
作用としては、強心、鎮静、呼吸興奮作用により、「動悸」や「息切れ」を改善する。
また、脳血流の改善により「気つけ」作用を示す。
※気つけとは?:心臓の働きの低下による「めまい」、「立ち眩み」の症状を軽減したり、気が遠くなった状態をはっきりとさせたり、疲労やストレスから元気をつける作用などを指す。
【副作用】
吐き気、嘔吐、発疹、発赤、かゆみなど
※15歳未満の服用は出来ない
※妊婦または妊娠している人は勧められない。服用する際は相談が必要
作用機序
・心筋への働き
→心筋細胞への直接作用により収縮力を上げる
→血液循環の改善
・自律神経系への働き
→交感神経の興奮を抑える
→動悸の改善
・脳血流の改善
→気つけ作用
・呼吸興奮作用
→息切れの改善
センソとは?
シナヒキガエル、ヘリグロヒキガエルの耳腺分泌物
【成分】
・ブフォステロイド(ブファリン、シノブファギン、レジブフォゲニンなど)
・インドールアルカロイド(ブフォテニジン、ブフォテニン)
【薬理作用】
強心、局所麻酔、呼吸興奮、利尿、抗炎症、抗腫瘍など
【注意点】
妊婦に禁忌とされている。悪心、嘔吐などの副作用あり
ゴオウ(牛黄)とは?
牛の胆のうに稀に発見される結石
【成分】
ビリルビン、ビリベルジン、コール酸、デオキシコール酸など
【薬理作用】
解熱、鎮痛、鎮静、鎮痙、強心、利胆、抗炎症、血圧低下、低酸素性脳障害保護など
【注意点】
気のめぐりを良くする生薬であり、芳香開竅薬に分類されているため、古来より妊婦には使用しない
ロクジョウ(鹿茸)
シカ科のアカシカまたは、シカのまだ角質化していない幼角のこと
【薬理作用】
消化機能促進、造血機能促進、強壮・疲労回復作用など
センソ含有強心薬のその他の特徴
・強心薬であるジゴキシンと比べて、代謝が速く、体外に排出されることが分かっている。
・9日連続で服用しても蓄積性はないとのこと(メーカー問い合わせ)
・心筋収縮を酸素消費量を上げることなく増強する
→心筋に負担は与えない
・センソ含有強心薬のセンソ量(1日5mg以下)は、劇薬にも毒薬にも該当しない。
※量が少ないためとのこと
・血圧を上昇させない
・習慣性の報告はされていない
・飲む際は、口の中で長く留めないようにすること
→舌の下で溶かしたり、噛んで服用すると、センソ成分の局所麻酔作用により、口の中が痺れる
・5日から6日服用して改善なければ病院を受診すること
・病院でジギタリス製剤など治療を受けている場合は服用しないこと
参考資料
救心製薬株式会社 問い合わせ
救心 添付文書