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整形外科・骨

非定型大腿骨骨折 と骨粗しょう症治療薬について

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非定型大腿骨骨折 と骨粗しょう症治療薬について簡単に整理する。原因薬剤として有名なものは、ビスホスホネート製剤である。
その辺も触れていこうと思う。

非定型大腿骨骨折AFFs:atypical femoral fractures

非定型骨折 と骨粗しょう症治療薬

・非定型大腿骨骨折はビスホスホネート製剤を5年以上服用している場合に注意が必要
・「大腿部痛」などの確認を定期的に行う

①非定型大腿骨骨折

非定型大腿骨骨折とは、骨粗しょう症の治療中であるにも関わらず、些細な外力(非外傷性、軽微な力)あるいは誘因なく大腿骨に骨折が発生してしまうことである。
非定型骨折を起こした人の半数以上に鼠径部痛や大腿部痛が前駆症状として出ている。
両側性であることが多い。
欧米白人よりアジア人に多い。

②骨粗しょう症治療薬

もともと、ビスホスホネート製剤の長期使用によって起こりうると言われていた。近年では、デノスマブ(プラリア®)使用による報告もあり、ビスホスホネート製剤だけの問題だけではない。
ちなみに、ビスホスホネート製剤特有の合併症ではないが、ビスホスホネート製剤を5年以上長期服用している場合、発生頻度が多くなることが分かっている。

※骨粗しょう症治療薬の中で骨吸収抑制薬との関連が指摘されている

※参考:添付文書上の記載

【ボノテオ®添付文書】
「ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性又は軽微な外力による大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数カ月前に大腿部、鼠径部、前腕部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の部位の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。」

【プラリア®添付文書】
「本剤又はビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性又は軽微な外力による大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部、鼠径部、前腕部等において前駆痛が認められている報告もあることから、本剤の投与開始後にこのような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の部位の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置

③対策を行うこと

非定型大腿骨骨折は起こってしまうと治療に苦労することが多いため、早めに前駆症状に気づくことがポイントである。確実な予防方法は残念ながら存在しない。

【対策】

・ビスホスホネート製剤を中止することで発生頻度は下がる。
→安易な長期服用は避ける

・定期的に大腿骨部の「鈍痛」または「うずく痛み」が起こっていないか確認する
→前腕部や鼠径部も注意すべきだが、痛みの確認なので薬剤師も副作用のチェックとしてどうだろうか

・両側性に発生しやすいので片側が骨折したら、反対側の検査も行う必要がある

・評価が難しい場合は、整形外科に診てもらう

参考資料
ボノテオ、添付文書
プラリア、添付文書
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版