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便秘・下痢(緩下薬・止瀉薬)

酸化マグネシウム細粒 の特徴や違い

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酸化マグネシウム細粒 の特徴や違いについて簡単に整理する。メーカーによって少しずつ違いがあったりするので知っておくと採用する際の参考になるかもしれない。重質酸化マグネシウが改良された「細粒」についての話である。

参考資料
胃瘻などのチューブ投与における 「重質酸化マグネシウム」と「酸化マグネシウム錠」の違い

酸化マグネシウム細粒 の特徴や違い

・メーカーごとに製剤的工夫や風味が違う。
・細粒の方が原末よりも飲みやすく改良されている。簡易懸濁法の際は、錠剤に変更すること

酸化マグネシウム細粒 の特徴

重質酸化マグネシウムは、「口の中のザラツキ」や「義歯に入り込む」「味が悪い」など非常に飲みにくいというデメリットがある。結果として、コンプライアンスやアドヒアランスの低下につながるという問題点があった。それを改良したのが酸化マグネシウム細粒である。口の中のザラツキを少なく、義歯に入り込みにくく、味の工夫がされている。
細粒は「83%」というのが一般的である。

※重質酸化マグネシウムは、簡易懸濁出来ないが、酸化マグネシウム細粒も簡易懸濁は難しい。通常の温度では溶けなかったり、胃瘻チューブなどに粒が残ったりして閉塞の原因となる。そのため、チューブから投与する場合は、酸化マグネシウムの「錠剤」に変更して簡易懸濁するのが良い。

酸化マグネシウム細粒 の違い

各メーカーの特徴を簡単に整理する。インタビューフォームやメーカーへの問い合わせから引用している。

【マグミット細粒(協和化学、シオエ、日本新薬)】

酸化マグネシウムを微粒子化し、表面をコーティングすることにより、ザラザラ感や不快な味を軽減している。においはない
(独自の製剤設計)

【酸化マグネシウム細粒「ヨシダ」(吉田)】

酸化マグネシウムを微粒子化し、表面をコーティングすることにより、ザラザラ感や不快な味を軽減している。においはない
(独自の製剤設計)

【酸化マグネシウム細粒83%<ハチ>(東洋製化、丸石)】

水に投入した時に崩壊剤が膨潤し、粒子同士を速やかに分散させることで、ザラザラ感を軽減している。
甘味剤のスクラロースでコーティングすることにより、不快な味を軽減している。においはない。

【酸化マグネシウム細粒83%「ケンエー」(健栄)】

酸化マグネシウムに比べて水に懸濁しやすく、より細かい粒子に崩壊する。
酸化マグネシウムと粒子形状が異なる。酸化マグネシウムは粒子が大きく、水に懸濁しても粒子形状はほとんど変化しない。酸化マグネシウム細粒は粒子が凝集体を形成していて、水に懸濁すると結合剤が溶解し、細かい粒子に崩壊する。
レモン風味の香料の添加により、不快な味がほとんどなく、においもない

参考資料
重質酸化マグネシウム「マルイシ」、添付文書
酸化マグネシウム細粒83%「ケンエー」、添付文書、インタビューフォーム
酸化マグネシウム細粒83%「ハチ」、添付文書、インタビューフォーム
マグミット細粒83%、添付文書、インタビューフォーム
酸化マグネシウム細粒83%「ヨシダ」、添付文書、インタビューフォーム
マグミット錠、添付文書、インタビューフォーム