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その他

活性型ビタミンD 製剤の違いについて

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活性型ビタミンD 製剤の違いについて簡単に整理する。
細かい違いがあるので知っておくと良い。
カルシトリオール、アルファカルシドール、エルデカルシトールについて取り上げる

活性型ビタミンD 製剤の違い

細かく見ていくと「違い」は意外とあるので注意。
「効能・効果」や「禁忌」は忘れないように。

効能・効果の違い

【カルシトリオール(ロカルトロール)】
→「骨粗鬆症、下記疾患におけるビタミンD代謝異常に伴う諸症状(低カルシウム血症、しびれ、テタニー、知覚異常、筋力低下、骨痛、骨病変等)の改善(慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、クル病・骨軟化症)」

【アルファカルシドール(ワンアルファ、アルファロール)】
→「下記疾患におけるビタミンD代謝異常に伴う諸症状(低カルシウム血症、テタニー、骨痛、骨病変等)の改善(慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、ビタミンD抵抗性クル病・骨軟化症)、骨粗鬆症」

【エルデカルシトール(エディロール)】
→「骨粗鬆症」

※エルデカルシトールには、「骨粗鬆症」にしか適応がないので注意すること

禁忌の違い

【カルシトリオール(ロカルトロール)】
→「高カルシウム血症又はビタミンD中毒症状を伴う患者」

【アルファカルシドール(ワンアルファ、アルファロール)】
→禁忌なし

【エルデカルシトール(エディロール)】
→「妊婦、妊娠している可能性のある女性又は授乳婦」

※エルデカルシトールは「妊婦」や「授乳婦」には使えないので注意。
→その場合は、アルファカルシドールなどを使うようにするとよい

構造における違い

【カルシトリオール(ロカルトロール)】
→活性型ビタミンD3

【アルファカルシドール(ワンアルファ、アルファロール)】
→活性型ビタミンD3のプロドラッグ

【エルデカルシトール(エディロール)】
→活性型ビタミンD3の誘導体

※ちなみにアルファカルシドールは、プロドラッグなので体内での代謝活性化が必要。その他の2つは、代謝活性化は不要である。

用法の違い

【カルシトリオール(ロカルトロール)】
→1日2回の服用が可能

【アルファカルシドール(アルファロール、ワンアルファ)】
→1日1回の服用

【エルデカルシトール(エディロール)】
→1日1回の服用

作用機序・薬理作用の違い

【/カルシトリオール/アルファカルシドール】

腸管からのカルシウム・リンの吸収促進

副甲状腺に作用

副甲状腺ホルモンの合成・分泌を抑制

【エルデカルシトール】

「上記の作用」+「破骨細胞の機能を抑制して骨吸収低下作用」

※エルデカルシトールの方が、カルシトリオールやアルファカルシドールより「骨密度増加効果」や「骨折予防効果」は高い。

その他の違い

・アルファカルシドールには、内用液や散剤があり用途に合わせて選択肢が多い。しかし、内用液と散剤は先発品のみ。
・ロカルトロールには、注射がある

補足:共通の注意点

・高カルシウム血症に注意すること。定期的な血清カルシウム値のモニタリングが必要
・高カルシウムの初期症状(食欲不振、悪心、嘔吐、口渇、イライラ感、多飲、倦怠感、意識レベルの低下など)
・ジギタリス製剤との併用では、高カルシウム血症に特に注意
※高カルシウム血症が発症した場合にジギタリス製剤の効果が強く出ることがある。不整脈に注意

参考資料
ロカルトロール、添付文書
エディロール、添付文書
アルファロール、添付文書