硝酸イソソルビド 徐放剤について 簡単に整理する。
先発品は、ニトロールRカプセルやフランドル錠がある
硝酸イソソルビド 徐放剤について
・あくまでも発作予防で使う。
・冠攣縮関連の狭心症に使いやすい。
効能・効果
「狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患」
※発作には使わない。あくまでも発作の予防的な服用となる
→Tmaxは3時間程度
※その他の虚血性心疾患の例:冠動脈硬化症
用法・用量
「通常、成人に対し、1回1 錠(硝酸イソソルビドとして20㎎)を1日2 回経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。」
※錠剤もカプセルも噛まずに服用すること、また粉砕しないこと
薬理作用・作用機序
体内で代謝される
(体内のSH基で還元される)
↓
亜硝酸イオンとなる
↓
一酸化窒素(NO)を放出する
↓
cGMP濃度が上昇する
↓
血管平滑筋を弛緩させる
↓
冠動脈などで血管拡張作用を示す
↓
心臓の負担を減らす
↓
狭心症などの胸痛の症状を改善する
※カルシウム拮抗薬と作用機序が違うところがポイント
よくある副作用
「頭痛」の頻度がやや高い。あとは、血圧を下げる作用があるので「めまい」「ふらつき」に注意すること。起立性の低血圧も起こることがある。
フランドル錠の添付文書を引用
【副作用】
「総症例10,098例中報告された副作用は463例(4.59%)延べ541件であった。主な副作用は、頭痛384件(3.80%)、めまい37件(0.37%)、悪心・嘔吐22件(0.22%)等であった」
【重要な基本的注意】
「本剤の投与開始時には、他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による頭痛等の副作用を起こすことがある。このような場合には鎮痛剤を投与するか、減量又は投与中止するなど適切な処置を行うこと。また、これらの副作用のために注意力、集中力、反射運動能力等の低下が起こることがあるので、このような場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること」
※頭痛は脳血管の拡張であり、血圧の低下は、全身的な血管拡張作用の結果と考えることが出来る
特徴
・様々なタイプの狭心症に使われる。
・冠攣縮が関係する狭心症に使いやすい。第一選択薬として使える。
→冠攣縮の起こる時間を狙って投与時間を決めたりする
・フランドル1日2錠とフランドルテープ1日1回の貼付の効果は同等
※冠攣縮とは?
心臓の太い冠動脈が何らかの原因で異常に収縮すること。
夜間や早朝の安静時に冠攣縮が起こりやすい。
服用上の注意点
突然の休薬は厳禁である。
重要な基本的注意の記載
「硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用中の患者で、急に投与を中止したとき症状が悪化した症例が報告されているので、休薬を要する場合には他剤との併用下で徐々に投与量を減じること。また、患者に医師の指示なしに使用を中止しないよう注意すること」
参考資料
フランドル錠、添付文書、インタビューフォーム
ニトロールRカプセル、添付文書、インタビューフォーム