脱水 の分類について簡単にまとめる。
生命維持に必要な体液量が足りてない状態を「脱水」という。
薬局でも無菌室を使った調剤が今後進むのだろうか・・・
少なからず輸液の知識を取り入れていく必要がある。自分自身、今後輸液を扱うケースがあるか分からないが
色々なテーマに分けて整理していこうと思う。
関連記事
不感蒸泄とは?~なぜ高齢者は脱水になりやすいのか?~
①脱水 の分類について
「水分欠乏型脱水」と「Na欠乏型脱水」に分けられる。
細胞レベルで浸透圧の調節を行っているのは、ナトリウムであるため、ナトリウムがとても重要になってくる。
【水分欠乏型脱水(高張性脱水)】
主に水分が喪失した状態である。血症の浸透圧が上昇している。
症状としては、「のどの渇き」、「尿量の減少」、「不安・興奮」、「ひどい場合、昏睡へ」などがある。
イメージは、体からジワジワ、水分が全体的に出ていく感じである。
どんなに人に起こるかというと・・・
「寝たきりの人」、「病気で食事が摂れない人」、「炎天下での作業が長い人」等
※輸液の場合は、3号液や5%ブドウ糖液を使う。
【Na欠乏型脱水(等張性脱水、低張性脱水)】
水分欠乏型脱水とは違い、Na+と水分が同時に喪失した状態である。体液が急になくなって循環血液量の減少している。
症状としては「頭痛」、「悪心・嘔吐」、「立ちくらみ」、「血圧低下」などがある。
イメージは、体からドバっと水分がなくなる感じ。(細胞外液がなくなる)
どんな時に起こるかと言うと・・・出血(怪我、手術)、嘔吐、下痢などである。
※ひどい嘔吐の場合は、Cl-を多く含む輸液(生理食塩水)を使ったりする。(胃液が失われるため)
※英語でも2つは区別されている。
dehydration(脱水:水分欠乏)
volume depletion(体液減少:Na欠乏)
②脱水 になりやすい人の例と理由
乳幼児や小児
・体重当たりの水分量、細胞外液が多くなっている
・腎臓が発達しきれておらず、水分保持する力が足りない
・水分必要量が多い
・不感蒸泄が多い
・発汗量が多い
・感染症、下痢、嘔吐が多い
・脱水が起こったときの訴えが少ない
→表現しきれなかったり、伝えてくれない
高齢者
・筋肉量や水分量が低下している
→体のなかで最も水分を保持しているのは筋肉である。筋肉が低下することで水分保持量が減る
・細胞内液が少なくなっていて、細胞外液の比率が高い
・腎機能が低下している
・のどの渇きを感じにくくなっている
・トイレが近くなると思って水分を摂らない
補足:ナトリウムの働き
・体液浸透圧の調節・維持
・細胞外液量の維持
・循環動態の維持
などに関わっている。
1日60mEq~100mEq程度必要なため、食事が摂れない人は食塩量として4~6gいる。(1gの食塩=17mEq)
※血清ナトリウムの基準値135~145mEq/L
参考資料
輸液・栄養読本(水・電解s津輸液編) 大塚製薬工場 2020年版
大塚製薬勉強会