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感染症・抗菌薬 検査値

ウイルス感染と細菌感染の違い

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最近は、感冒に対して、ほとんど抗生剤が処方されない傾向にある。 それは、感冒のほとんどがウイルス感染であるためである。抗生剤を服用する意味がなく、耐性菌の増殖を引き起こすからである。
感染症上のウイルスと細菌の違いはとても大切である。感染対策を正しくする上でも重要。

そこで薬局や臨床上何を確認すればいいかおさらいする。
ポイントは、臨床検査値上の違いを押さえる。「白血球数」をまずはチェックしよう

ウイルス感染と細菌感染の違い

検査値上の違い

【ウイルス感染】

・白血球数はほぼ正常のことが多い
・CRP上昇
・鼻汁痰色→白いか粘液性

【細菌感染】

・白血球数は上昇 (好中球が特に)
・CRP上昇
・鼻汁痰→黄色い、膿っぽい感じ

細菌感染が疑われる場合

基本的に「細菌感染」が疑われる場合に、抗生剤・抗菌薬は処方される。

【例外?抗菌薬使用を考慮するケース】

高齢者や呼吸器の疾患や循環器の疾患などが基礎としてあり、リスクが高い方などには必要なこともある。

急性咽頭炎などで「A群β溶血性連鎖球菌」が検査で陽性になった場合は、「ペニシリン系抗菌薬」が用いられる。
A群β溶血性連鎖球菌による咽頭炎は学童期の小児に多い。
3歳以下や成人は少ない。成人では10%ぐらいである。

【よく使われる薬】

アモキシシリン(サワシリン®)

【補足】
「A群β溶血性連鎖球菌」
グラム陽性菌である。疾患としては急性咽頭炎、蜂巣織炎など

薬局でよく起こる事例(私見・体験含む)

小児患者の親などから

「抗生剤がなぜ?出ていないのか?」
「風邪なのに薬これだけ?」

と聞かれたり、怒っている方がいたりする・・・・

~薬局での対応として~
下記のことを分かりやすく伝える必要がある。

・普通感冒(風邪)は、80~90%が「ウイルス」感染が主であり、
抗菌薬は基本的に不要であること

・一般的には、1週間ほどで症状が改善すること

・長引くときは再受診の必要性があること

・血液検査の結果を持っていたら「なぜ抗菌薬が不要であるか」など

丁寧に指導することが大切である

おまけ:アモキシシリン(サワシリン®)について

・ペニシリン系の抗菌薬(β-ラクタム系)
・組織移行性はよい(耳・上気道・肺・皮膚・尿路など)
・生物学的利用率は約80%
・食事の影響は受けにくいが、食物繊維が多いものは注意
吸収が落ちる可能性がある。根菜など
・ペニシリン系に対してアレルギーがある人は約10%
・PK/PD理論では、時間依存的な抗菌薬
→飲み忘れたとき「すぐに一回分を服用し、なるべく等間隔に服用するよう指導」
→毎食後服用のところ、「夕食後」を飲み忘れたら「寝る前」に服用するなど

参考資料・文献
Cooper RJ.et al : Ann Intern Med 134(6) : 509-517.2001
国立感染症研究所感染症情報センターIDWR 2003年第37号