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痛み・鎮痛剤

片頭痛予防薬 について~ざっくりとした全体の話~

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片頭痛の予防薬 について簡単に整理する。ざっくりしたイメージを持っておくと業務で役に立つかもしれない。
片頭痛発作が月に2回以上ある患者さんでは予防療法の実施について検討してみることが勧められている。
トリプタン系やエルゴタミン製剤は、急性期に使う薬剤であり禁忌も多い。また、両剤が使えない場合は頭痛の急性期治療としては、アセトアミノフェンやNSAIDsが第一選択薬である。

片頭痛予防薬 について

・添付文書に記載あり→ロメリジン、プロプラノロール、バルプロ酸ナトリウム
・適応外使用【保険審査上認められている)→アミトリプチリン、ベラパミル
・ 重症例では、ロメリジンとバルプロ酸ナトリウムを併用するケースがある。

ざっくりしたイメージ

ロメリジン(ミグシス)、プロプラノロール(インデラル)、バルプロ酸ナトリウム(デパケン)が添付文書に記載されている
適応外使用として保険審査上認めれているのは、アミトリプチリン(トリプタノール)、ベラパミル(ワソラン)である。
アミトリプチリンは、他が効かない場合に使われるイメージ。
服薬指導の際には、予防であり、発作治療薬でないことを伝える必要がある。

※他にもトピラマート、ガバペンチンなども使う事がある。適応外使用である

関連記事は下記より参照のこと
ロメリジン の特徴について 

プロプラノロールと片頭痛 について 

トリプタノールと片頭痛 の予防~適応外使用~

【添付文書上の効能・効果】
・ロメリジン(ミグシス)
「片頭痛」
※重要な基本的注意に発作予防で使うように指示されている。下記参照
「⑴本剤は片頭痛発作(月に 2 回以上)により日常生活に支障をきたしている患者に投与すること。
⑵本剤は発現した頭痛発作を緩解する薬剤ではないので、本剤投与中に頭痛発作が発現した場合には必要に応じて頭痛発作治療薬(酒石酸エルゴタミン・無水カフェイン等)を頓用させること。投与前にこのことを患者に十分に説明しておくこと」

・プロプラノロール(インデラル)
「片頭痛発作の発症抑制」

「片頭痛患者においては、本剤は発現した頭痛発作を緩解する薬剤ではないので、本剤投与中に頭痛発作が発現した場合には必要に応じて頭痛発作治療薬を頓用させること。投与前にこのことを患者に十分に説明しておくこと。」

・バルプロ酸ナトリウム(デパケンR)
「片頭痛発作の発症抑制」

「〈片頭痛発作の発症抑制〉
5.1 本剤は、片頭痛発作の急性期治療のみでは日常生活に支障をきたしている患者にのみ投与すること。
5.2 本剤は発現した頭痛発作を緩解する薬剤ではないので、本剤投与中に頭痛発作が発現した場合には必要に応じて頭痛発作治療薬を頓用させること。投与前にこのことを患者に十分に説明しておくこと。」

バルプロ酸ナトリウムの補足

バルプロ酸ナトリウムの血中濃度は、てんかんは50~100μg/mlであるが、片頭痛の場合、20~50 μg/ml 程度である。
片頭痛で用いる場合の方が、血中濃度は低くてよい。
1日400mgから600mgが使われる量としては多い。眠気などの副作用が多い場合は、200mgで使ったりする。
重症例では、カルシウム拮抗薬であるロメリジンとバルプロ酸ナトリウムを併用するケースがある。

参考資料
慢性頭痛の診療ガイドライン2013
ミグシス錠、添付文書
インデラル、添付文書
デパケンR,添付文書