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痛み・鎮痛剤 神経系

プロプラノロールと片頭痛 について

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プロプラノロールと片頭痛 について簡単に整理する。先発品は、インデラル®である。
プロプラノロールは多くの適応症があるがその中で「片頭痛」に今回はスポットを当てて簡単にまとめる。インデラル®において2012年に保険適用となっている。

①プロプラノロールと片頭痛治療 ~添付文書上の記載~

効能・効果(抜粋)

「片頭痛発作の発症抑制」

※あくまでも発作の「発症」抑制に対して使われる。

用法・用量(抜粋)

「通常、成人にはプロプラノロール塩酸塩として1日20~30mgより投与を
はじめ、効果が不十分な場合は60mgまで漸増し、1日2回あるいは3回
に分割経口投与する。」

※発症抑制なので頓服の使用ではないのがポイント

重要な基本的注意(抜粋)

「片頭痛患者においては、本剤は発現した頭痛発作を緩解する薬剤ではないので、本剤投与中に頭痛発作が発現した場合には必要に応じて頭痛発作治療薬を頓用させること。投与前にこのことを患者に十分に説明しておくこと。」

「片頭痛患者においては、本剤投与中は症状の経過を十分に観察し、頭痛発作発現の消失・軽減により患者の日常生活への支障がなくなったら一旦本剤の投与を中止し、投与継続の必要性について検討すること。なお、症状の改善が認められない場合には、漫然と投与を継続しないこと。」

※発作が起こったときは、発作のための薬を飲む必要がある。
※薬局でも効果があるのかどうかなど確認すること

注意点・禁忌

予防薬として使えるが、併用薬としてリザトリプタン(マクサルト®)は禁忌なので注意すること。

※併用した場合のリザトリプタンのAUCとCmaxが上がるため、効果が増強される可能性がある。
AUC→1.67倍
Cmax→1.75倍

※同効薬であるゾルミトリプタン(ゾーミッグ®)、スマトリプタン(イミグラン®)は併用禁忌ではない。

②ガイドライン上の記載

グレード

慢性頭痛の診療ガイドラインによると「グレードA」である。

回答を見ると下記のように記載されている
「月に2回以上の頭痛発作がある片頭痛患者にプロプラノロールを投与すると、1か月あたりの発作回数を減少させることが期待できる。欧米ガイドラインでもプロプラノロールは片頭痛予防薬の第一選択薬として推奨されている」

※欧米でも一般的に使われている。

推奨される人

片頭痛発作が月に2回以上ある人であり、下記の人は、第一選択薬として推奨されている。
・急性期治療のみでは私生活に支障がある場合
・急性期治療薬が使用できない場合
・永続的な神経障害をきたす恐れのある特殊な片頭痛
・高血圧、冠動脈疾患、頻拍性不整脈を持つ人

※妊婦にも比較的安全に使える。
※喘息、心不全は禁忌

参考資料
インデラル®添付文書、インタビューフォーム
慢性頭痛の診療ガイドライン
日本頭痛学会、プロプラノロールによる片頭痛治療ガイドライン(暫定版)