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貧血

ダルベポエチン の特徴について

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ダルベポエチン の特徴について簡単に整理する。一般名は、ダルベポエチンアルファであり、先発品としては、ネスプ®がある。
赤血球造血刺激因子(ESA)製剤に分類される。
「腎性貧血」や「骨髄異形成症候群に伴う貧血」の治療に高いエビデンスがある。

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ダルベポエチン の特徴

従来のエリスロポエチンとの違いにも触れながら整理する。

効能・効果

○腎性貧血
○骨髄異形成症候群に伴う貧血

※腎性貧血:保存期慢性腎臓病、腹膜透析、血液透析に使うことが出来る。
※骨髄異形成症候群に関しては、後発品(バイオシミラー)と違いがあるので注意
※エリスロポエチン製剤には、骨髄異形成症候群に伴う貧血に適応がない。
※小児から成人まで幅広く使うことが出来る

薬理作用・作用機序

造血幹細胞のエリスロポエチン受容体に結合・刺激

赤芽球への分化を誘導

赤血球の産生が促進される

赤血球の数が増加

貧血改善

※エリスロポエチンのタンパク質自体を補充するイメージ
※効果の発現には、鉄の存在が重要である。重要な基本的注意に下記のような記載がある。
「本剤の効果発現には鉄の存在が重要であり、鉄欠乏時には鉄剤の投与を行うこと。」

副作用について

比較的多い副作用は、「高血圧」、「肝機能異常(ALP上昇、γ-GTP上昇、AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇)」、「頭痛」、「倦怠感」、「シャント血栓・閉塞」などである。

重大な副作用としては、
「脳梗塞(0.8%)」、「脳出血(0.1%)」、「肝機能障害・黄疸(0.1%)」、「高血圧性脳症(0.1%未満)」、「ショック・アナフィラキシー(頻度不明)」、「赤芽球癆(頻度不明)」、「心筋梗塞・肺梗塞(各 0.1%未満)」等がある。

製剤的な特徴

ダルベポエチンは、元々のエリスロポエチン製剤の構成アミノ酸を一部置換していて、2本のN結合型糖鎖(シアル酸残基)を加えた遺伝子組換え糖蛋白である。
N結合型糖鎖が増えると、半減期が長くなることが分かっている。ただ、長すぎるとエリスロポエチン受容体への作用が弱くなるので丁度よいところで調整されている。
分子量の違いでいうと、エリスロポエチンの30000から36000に増えている。

半減期としては、静注で約3倍、皮下注で約2.5倍の違いがある。
結果として投与回数を減らし、投与間隔を延ばすことが出来ている。

その他の特徴

日本では認められていないが、海外では、「非骨髄性悪性腫瘍患者の化学療法施行に伴う貧血治療薬」として使っている国もあり、輸血の代替として注目されている。

参考資料
Nephrol Dial Transplant 2001: 16 3-13
ネスプ、添付文書、インタビューフォーム