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妊婦と貧血~リスク・診断基準・理由・鉄の摂取推奨量について~

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妊婦と貧血~リスク・診断基準・理由・鉄の摂取推奨量について~

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①貧血のリスク

妊娠中の貧血は、低出生体重児、早産のリスクとなる。

低出生体重児とは?

出生体重によって定義されている。

・2500g未満:低出生体重児
・1500g未満:極低出生体重児
・1000g未満:超低出生体重児

早産とは?

日本産科婦人科学会によると以下のように書かれている

「早産とは正期産より前の出産のことであり、正期産とは妊娠37週0日から妊娠41週6日までの出産のことをいいます。日本では妊娠22週0日から妊娠36週6日までの出産を早産と呼びます。妊娠22週未満の出産は流産といい、早産とは区別されます」

※日本では妊娠22週0日から妊娠36週6日までの出産を早産と呼ぶ

未熟児とは?

母子保健法第6条で、「未熟児とは、身体の発育が未熟のまま出生した乳幼児であって、正常児が出生時に有する諸機能を得るに至るまでのものをいう」
と定義されている。

②妊婦の診断基準(貧血)

妊婦の貧血の診断基準は以下の通りである。
9割くらいは鉄欠乏性貧血である。

・Hb:11.0g/dL未満
・ヘマトクリット値:33%未満

※つまり鉄欠乏性貧血に注意する必要がある。
※ヘマトクリット値は妊娠24週ごろに最低となり、妊娠後期に上昇する傾向がある。

補足:MCVに注目してみる

MCVが80未満だと小球性貧血と分類され、「鉄欠乏性貧血」や「二次性貧血(感染、腫瘍、癌)」が疑われる。
妊婦の場合は、以下の場合は、注意が必要である。

・MCV80未満、血清フェリチン12n/ml以下
・妊娠9週以降は、循環血流量増加のためMCV85未満

※葉酸欠乏にも注意が必要で・・・
その場合、大球性貧血なのでMCV101以上になっているか注目する。

薬局でも赤血球数、Hb、ヘマトクリットに加えてMCVにも注目すると
色々患者に説明しやすいかもしれない。

MCVについて詳しくはこちらを参照
赤血球と赤血球恒数(MCV、MCH、MCHC)について

③貧血になる理由

女性は、そもそも男性よりも鉄分を失いやすい。それに加えて
妊娠期には、下記のような理由で鉄が不足しがちで貧血となる。

・胎児の成長に伴う鉄貯蔵
→胎児の成長に使われる

・臍帯・胎盤中への鉄貯蔵

・循環血液量の増加に伴う鉄需要の増加
→血流量が増えるので赤血球量が増加する

④鉄の摂取推奨量

女性の鉄の推奨摂取量は以下のように設定されている
・非妊娠時→10.5㎎/日
・妊娠初期→13㎎/日
・中期から後期→25.5㎎/日

※胎盤への移行も考えると7割くらいしかヘモグロビン鉄にならないらしい

補足:鉄欠乏貧血の症状

「動悸」、「息切れ」、「立ち眩み」、「倦怠感」、「顔色が悪い」
「爪の中央部の凹み」「スプーン爪」「口内炎」、「舌炎」
「氷を以上に食べたくなる」「むずむず脚症候群」

※むずむず脚症候群→不眠につながる
妊娠週数とともに悪化することが分かっている

鉄欠乏貧血について詳しくはこちらを参照

参考資料
低出生体重児 保険指導マニュアル 小さく生まれた赤ちゃんの地域支援
平成30年度子ども・子育て支援推進調査研究事業
小さく産まれた赤ちゃんへの保健指導のあり方に関する調査研究事業
小さく産まれた赤ちゃんへの保健指導のあり方に関する調査 研究会
みずほ情報総研株式会社
妊婦・授乳婦 厚生労働省
母子保健法第6条