なるべく子供に薬自体を飲ませなくない親は多い印象。
そんな場合、「咳」に関して「蜂蜜」が有用である可能性があるので紹介。
メジコン®との比較のデータは知っておくとよいと思う
おまけ:ボツリヌス菌症について
①鎮咳作用について
蜂蜜はデキストロメトルファン(メジコン®)並みの鎮咳作用があると言われている
「寝る前」に摂取するのがよい。また、ココアやミルクに溶かして飲むのがオススメ
急性の咳嗽(がいそう) に対する効果の報告が幾つか存在する。
※蜂蜜は1歳未満には使用禁忌である
②報告について(データベースより引用)
2つの報告を以下に示す。
Cochrane Database of Systematic Reviews, Version published: 10 April 2018より
・「ハチミツを最大3日間摂取した場合に、プラセボおよびサルブタノール(肺気道を拡張する薬剤)と比較して、咳嗽症状を軽減する可能性がある。ハチミツは、咳嗽を緩和して小児の夜間睡眠時に咳嗽の影響を軽減する効果が、無治療よりも高いと考えられる。」
・ 「あらゆる咳嗽症状に対して、ハチミツとデキストロメトルファン(市販の鎮咳薬の成分)の作用の差、ハチミツ単独とハチミツ+ブロメリン併用の作用の差は、ほとんどないか、まったくないと考えられた。ハチミツは小児の咳嗽の緩和と軽減にジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン薬)よりも有益な可能性がある」
③蜂蜜が1歳未満にダメ(禁忌)な理由
・乳児ボツリヌス症になる可能性がある
1歳未満は腸内環境が未熟なため、 消化管内でボツリヌス菌が増殖し、毒素を出してしまう。
症状としては、「便秘」、「首のすわりが悪くなる」、
「泣き声の変化」「筋力低下」など様々な症状が生じる。
1歳以上であれば、通常は、腸内細菌の方が強いため何も起こらない 。
※腸が何かしら弱っていたり、抗菌薬を使用中は起こることがある。
④おまけ:ボツリヌス症について(第四類感染症)
ボツリヌス症はボツリヌス菌が産生する神経毒素によって起こる
「神経麻痺性」の中毒性疾患。
※ボツリヌス菌:
熱に強く、加熱や料理で失活しない(耐熱性は、120℃,4分)
芽胞を形成する偏性嫌気性菌
ボツリヌス菌食中毒と乳児ボツリヌス症の違い
~増殖する場所・毒素を出す場所が違う~
・ボツリヌス菌食中毒
食品中でボツリヌス菌が増殖し、毒素を出す。
それを摂取することで食中毒が起こる
・乳児ボツリヌス症
1歳未満の乳児が、ボツリヌス菌の芽胞が混入した蜂蜜を食べる。
その後、体の中で増殖したボツリヌス菌が毒素を出すことで発症する
参考文献・資料
・小児の急性咳嗽に対するハチミツ
Cochrane Database of Systematic Reviews, Version published: 10 April 2018
・ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから(厚生労働省)