DPP-4阻害薬とSU剤 のワンポイントざっくりまとめる。併用することでSU剤を減量できるので知っておくと良い
スルホニル尿素薬(SU剤)にDPP-4阻害薬が追加された場合の注意点は?
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DPP-4阻害薬の特徴 について
①DPP-4阻害薬のワンポイント
日本で使用頻度が高いDPP-4阻害薬
なぜ?
理由:副作用が少ないから
※有害事象を調べるメタ解析でプラセボ群と比較して DPP-4阻害薬を飲んでいても同じだけの副作用しか出なかったというデータある。
↓
DPP‐4阻害薬を飲んでいても飲んでいなくても副作用の頻度は同じ
副作用として多いのは「消化器症状」 100人に1人程度
ただし止める程度の人は少なく、 少しムカムカする人がいる。
また最近は「膵炎」について注意喚起があったため
「腹痛」「下腹部痛」「嘔気、嘔吐」などを確認する必要がある。
下記を参考のこと
参考:2018,3,18薬生案発0320第1号別紙5
「急性膵炎があらわれることので、持続的な激しい腹痛嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やか医師診察を受けるよう患者に指導すること。」
②スルホニル尿素薬(SU剤)のワンポイント
SU剤は日本人に非常によく効く薬と言われている
↓
そのため、SU剤を止めた途端に血糖が上がる事例がある。20数%だそう
↓
SU剤をやめられない人がいる。
そのため、SU剤の量が多い人がいるので用量を減らすことを考える。
※そもそもSU剤の「低血糖」は副作用なのか?
細かい話をすると「違う」
副作用という主作用以外の作用なので
有害事象ではあるが(主作用が強すぎて低血糖) 副作用ではない。
↓
つまりSU剤は副作用自体少ない薬剤なのだ。
これを診療上うまく使用することは大事らしい・・・
どうするのか?
そこの1つの方法がDPP4阻害薬との併用である。
ある医師の勉強会の話では、併用することで70%ほど減量できているとのこと
ほとんどの患者がグリメピリドで0.5mgか1mgに 減っているという話だった。
スルホニル尿素薬(SU剤)にDPP-4阻害薬が追加された場合、何を考えればいいのだろうか?
①グリメピリド(アマリール®)2mg/日を超えて使用している患者
→2mg/日以下に減量する
②グリベンクラミド(オイグルコン®、ダオニール®)
1.25mg/日を超えて使用している患者
→1.25mg/日以下に減量する
③グリクラジド(グリミクロン®)40mg/日を超えている患者
→40mg/日以下に減量する
絶対ではないが、気になる場合は疑義照会をしたり、
色々考えてみてはどうだろう
また、DPP-阻害薬はSU剤と併用した場合は、
低血糖の可能性も出てくるのでフォローは必要である。
参考資料
2018,3,18薬生案発0320第1号別紙5
各製剤の添付文書