①定義
「体温を平熱に保つために汗をかき、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)の減少や血液の流れが滞ることなどが原因で、体温が上昇して重要な臓器が高温にさらされることで発症する障害の総称」
特に農家などは気づかないこともある。
臓器に障害が起きないように水分やミネラルを補給することが大切だということ
機序
暑い時、暑い日は、自律神経を介して末梢血管が拡張する。
↓
皮膚に多くの血液が分布しているので
外気への放熱により体温低下をすることが出来る
↓
また、発汗により「汗の蒸発」に伴って熱が抜ける
(気化熱)
↓
この体内での作用が体温の低下につながる
↓
しかし・・・
↓
汗の原料は、当然体の水分である。
皮膚表面から汗が分泌されることで体の水分は減る。
↓
大量に汗をかくことで体の水分や塩分(ナトリウムなど)が失われるので
脱水状態となる。
↓
脱水状態に対して、筋肉のこむら返り(筋肉の痙攣)や失神(熱失神)が起こる。
↓
そして、体の熱量のバランスが崩れてしまえば、体温(40℃以上)が急激に上昇し、熱中症がおこる。
(この体温が急激に上昇した状態が熱中症)
↓
その後、熱疲労という状態になる可能性もある(下記参照)
※脱水症、こむら返り(足の攣り)の先に熱中症がある
※個人的に日々気になるのは農家の人である。
若いころは大丈夫だったかもしれないが・・・注意が必要である。
「頼むから水分を取ってくれ」と毎日思っている。
農家の方で夜中に足が攣るんだよね・・・ってことで
芍薬甘草湯が処方される。
その「足の攣り」昼間の水分補給をしっかりやれば防げるかもしれない。
そして、熱中症を防ぐかもしれない。
皆に十分な水分補給をやってほしい・・・
熱失神はなぜ起こるのか?
放熱のために皮膚血管を拡張して皮膚への血流量を増やし
皮膚の温度が高くなると・・・
立ったままの姿勢を持続していると血液が下肢にたまる
その結果、脳への血流が減少してしまい一過性の意識消失(失神発作)を起こす。
この失神を熱失神という。
熱疲労?
末梢への血流が集中(皮膚や筋肉)する
↓
心臓に戻る血液が少なる
↓
心拍出量が減る
↓
循環血液量が減少してしまい重要臓器(脳等)
への血流が減少してしまう。
↓
「めまい」、「頭痛」、「吐き気」、「意識障害」等が起こる
※これが熱疲労と呼ばれる
②重症度
熱中症の重症度がⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類される。
Ⅰ度:現場での応急処置で対応できる軽症、熱失神、熱けいれん
Ⅱ度:病院への搬送を必要とする中等症、熱疲労
Ⅲ度:入院して集中治療の必要性のある重症、熱射病
※意識がおかしい場合(自分の名前が言えない、応答が鈍い、昏睡など)は、
Ⅱ度以上なので病院へ搬送する必要がある。
意識がないと、Ⅲ度になる。
参考資料
日本救急医学会分類2015
熱中症環境保健マニュアル2018