SU薬とグリ二ド薬の違いと共通点 について触れる。
スルホニル尿素(SU)薬と速攻型インスリン分泌促進(グリ二ド)薬の事である。
ポイント:どの段階の血糖値をターゲットにしているか?
併用は基本的にNG・向かない
あくまでも基本は、「食事療法」・「運動療法」が大切である。
おまけ:併用に関して武田薬品工業からの回答
①共通点について
スルホニル尿素薬と速攻型インスリン分泌促進薬の作用点は同じである
作用機序(簡単に)
膵臓のβ細胞の膜上にあるスルホニル尿素受容体に結合
↓
ATP感受性Kチャネルを閉鎖
↓
細胞膜の脱分極が生じる
↓
電位依存性カルシウムチャネルが開く(開口する)
↓
細胞内のカルシウム濃度が上昇する
↓
インスリンの放出が促進される。
リスクや副作用
・低血糖のリスクが他の薬剤より高い。
・肝障害に注意する
・体重増加(グリ二ドの方が少ない)に注意する
※なぜ?体重増加するのか?
・エネルギー消失が減る
SU薬の作用により、細胞への糖の取り込みが増え、尿糖が減少する。
つまり、エネルギーを体内に留めるため体重が増加する可能性がある。
(摂取カロリーにも注意が必要)
・インスリン自体に筋肉・脂肪を増大する作用がある。
(同化ホルモンとしての作用するため)
※薬局での対応
「体重増加」はインスリン抵抗性の増大につながるので
薬局でも確認していく必要がある
②違いについて
スルホニル尿素(SU)薬
ポイント:「空腹時」血糖を下げる目的
・作用時間が半日から1日と長いため低血糖が蔓延しやすい傾向
↓
夜間低血糖にも注意が必要になる
・「食前」「食後」どちらでも服用可能
・腎機能低下者に対して
SU薬はクレアチニンクリアランスが30以下の人や透析の人には「禁忌」となっている
速攻型インスリン分泌促進(グリ二ド)薬
ポイント:「食後」高血糖を下げる目的
・作用時間が3~4時間程度
SU薬に比べて作用が速く出現し、作用時間が短い
※だいたい15分くらいで効果が現れ 30分ぐらいでTmaxに到達する
↓
ここで考えるべきは、グリ二ド薬を服用してから時間が経って、
ご飯を食べ始めると低血糖につながってしまうという事である。
↓
グリ二ド薬を飲んだらすぐご飯を食べることが大切!
(各グリ二ド薬に食直前何分以内に服用とか一応決まっているが・・・すぐ食べることが重要)
↓
「いただきます」の時に服用すると良い。
※食べている途中の服用も注意が必要。食後しばらく経ってから
低血糖を起こすことがある。
・「食直前」で服用すること
・透析を必要とするような腎機能低下者に対して
禁忌→ナテグリニド(ファスティック®、スターシス®)
慎重投与→ミチグリ二ド(グルファスト®)とレパグリニド(シュアポスト®)
おまけ:併用に関して武田薬品からの回答
「同じ作用点なので併用はしないこと」というのがイメージとしてあるのだが、
武田薬品への問い合わせてみたところ
「目的」が違うので保険で通る可能性はあるとのこと
本当だろうか・・・
併用する必要性をコメントとして入れればいいのろうか
保険が通る都道府県があれば教えていただきたいです。
知っている方がいましたらコメントお願いします。
参考資料
各薬剤添付文書・インタビューフォーム
武田薬品への問い合わせ