ポリスチレンスルホン酸Ca顆粒分包とポリスチレンスルホン酸Ca経口ゼリー の経管投与について簡単にまとめる。
名前を変更する前のアーガメイトという名前の方が馴染みがあるかもしれない。
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①ポリスチレンスルホン酸Ca顆粒分包
名称変更となったが、アーガメイト顆粒の事である。
顆粒は、2013年に発売になっている
特徴
・服用時に懸濁の必要がなく、少量の水でも服用しやすい
・顆粒の表面を滑らかな粒子状に加工して、原薬のもつザラザラ感・灼熱感を軽減されている
・カルシウム塩の陽イオン交換樹脂
※交換容量
「ポリスチレンスルホン酸カルシウム散を乾燥したものは7.0~9.0%のカルシウムを含み、またその1gは試験管内(KCl溶液)において、53~71mg(1.36~1.82mEq)のカリウムと交換する」
・経口ゼリー1個=顆粒1包
・顆粒なので入れ歯の人は気になることがあるので注意
→その場合は、ゼリーに変更したり対応すると良い
注意点
ポリスチレンスルホン酸Ca経口ゼリー同様に「便秘」に注意する必要がある。
添付文書上の記載を見ておくと良い
【重要な基本的注意】
「本剤を経口投与するにあたっては、患者に排便状況を確認させ、便秘に引き続き腹痛、腹部膨満感、嘔吐等の症状があらわれた場合には、医師等に相談するよう指導すること。」
【薬剤交付時の注意】
「消化管への蓄積を避けるため、便秘を起こさせないように注意すること」
【臨床使用に基づく情報】
「本剤のソルビトール懸濁液を経口投与し、結腸狭窄、結腸潰瘍等を起こした症例が報告されている。類薬(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)で、そのソルビトール懸濁液を経口投与し、小腸の穿孔、腸粘膜壊死、大腸潰瘍、結腸壊死等を起こした症例が報告されている。」
「本剤とアルギン酸ナトリウムとの併用により、消化管内に不溶性のゲルを生じたとの報告がある。」
②経管投与について
あくまでもメーカーとして推奨はしていないので参考程度に。
簡易懸濁法は顆粒でしか出来ないのと
チューブに大きさが14Fr必要である。
ポリスチレンスルホン酸Ca経口ゼリー
名称変更があったが、以前のアーガメイト®ゼリーの事である
メーカーにあるデータは、ゼリーの場合「経鼻管」でのデータしかない。
【懸濁液の作り方】
全量を薬さじで取ってペースト状にする
↓
1~2分で塊が無くなる
↓
ぬるま湯(38℃から40℃)35mlを少量ずつ入れてなじませる
↓
速やかに50mlシリンジで吸い上げる
↓
経鼻管に注入
↓
排出後、20mlの水を注入
※この方法でチューブに残渣はなしとのこと
【使用された経鼻管】
・エチレンビニルアセテートのチューブ
外径8Fr、内径4Fr、110㎝のもの
・シリコンのチューブ
外径7Fr、内径4Fr、110㎝のもの
ポリスチレンスルホン酸Ca顆粒
通常の簡易懸濁法のやり方で良いが「とろみ」があるため
注意する必要がある
【簡易懸濁法】
1包5.6gを55℃、20mlの温湯に入れる。
↓
10分後、スパーテルで顆粒を潰す感じ
↓
懸濁されるが、「とろみ」がある
8Frのチューブだと5ml入れた時点で詰まる。
12Frのチューブでは、ピストンが固く、毎秒2-3mlのペースで注入出来ない
14Frになると通過する。
参考資料
ポリスチレンスルホン酸Ca顆粒「三和」添付文書、インタビューフォーム
ポリスチレンスルホン酸Ca経口ゼリー「三和」添付文書、インタビューフォーム
アステラス製薬問い合わせ
三和化学研究所資料