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α1受容体遮断薬の違いについて~ざっくりと~

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α1受容体遮断薬の違いについて~ざっくりと~

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①α1受容体への選択性の有無

α受容体への選択性がないもの

・プラゾシン(ミニプレス®)
・テラゾシン(バソメット®)
・ウラピジル(エブランチル®)

もともと降圧剤として開発されている。
「前立腺肥大症」に対してだけでなく「高血圧症」 の適応もある。

※低血圧に注意する必要がある

α1受容体への選択性があるもの

・シロドシン(ユリーフ®)、 タムスロシン(ハルナール®)は、

α1A受容体に選択的である。

・ナフトピジル(フリバス®)は、

α1A受容体とα1D受容体に選択的である。

補足

前立腺肥大症の方で α1Aとα1Dどちらが多いかは個々人で違う。
どの薬が効果的か個人差が生じる理由である。

※高血圧症への適応はない

②「立ちくらみ」について

α1受容体遮断薬の副作用である「立ちくらみ」の
発生頻度はTmaxが大きく関わっている。

→Tmaxが短いと薬効発現までの時間が早い。

※Tmax:最高血中濃度に達するまでにかかる時間のこと

タムスロシン(ハルナール®)

Tmax:7時間程度
徐放性製剤であり1日1回投与である。
「起立性低血圧」が起こりにくい。

補足:OD錠はあるが、粉砕は不可

ナフトピジル(フリバス®)

Tmax 約1時間 

シロドシン(ユリーフ®)

Tmax 約1時間 

以上より、ナフトピジルとシロドシンのTmaxが短いことから
ナフトピジルとシロドシンは「立ちくらみ」がタムスロシン
より起こる可能性が高い。

「投与初期」と「増量時」に注意が必要である。

③「射精障害」について

頻度が高いα1受容体遮断薬は?

シロドシン(ユリーフ®)は注意が必要である。

シロドシンの頻度は、17.2%・・・

※α1A受容体への親和性が高いためとのこと

タムスロシン(ハルナール®)は、市販後調査で0.02%程度なので差がある。
可逆的だが、若い方などには説明が必要である。
「射精障害」の可能性と併せて「中止すれば改善する」ことも伝えた方がよい。

射精障害について(2パターン)

逆行性射精と射出障害の2つがある。

逆行性射精:

α1受容体遮断作用(特にα1A受容体)

下部尿路組織の平滑筋弛緩

射精時に膀胱頸部(内尿道口)の閉鎖不全

 精液が膀胱内に逆流してしまう

射出障害:

精嚢や精管に分布しているα1受容体(特にα1A 受容体)が遮断

精嚢、精管の内圧低下、収縮抑制

精液が、後部尿道に出てこない

④おまけ:α受容体と前立腺肥大症

サブタイプとしてα1A、α1B、α1Dの3つがある。
前立腺肥大になるとα1B以外のmRNA量が増え、蛋白量が増加する
前立腺肥大組織では、α1Aもしくはα1Dの割合が増加しているのである。
どちらが多いかは個人差あり

α1B受容体

 血管平滑筋に存在し、排尿障害への関与は少ないと考えられている
主に血圧に関係している。

α1D受容体

 頻尿や尿意切迫感などの蓄尿症状に主に関与していると言われている

参考資料
ミニプレス®添付文書
バソメット®添付文書
エブランチル® 添付文書
ユリーフ®添付文書、インタビューフォーム
ハルナール®添付文書、インタビューフォーム
フリバス®添付文書、インタビューフォーム