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浸透圧と下痢について~経腸栄養剤はご注意を~

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浸透圧と下痢について~経腸栄養剤はご注意を~

おまけ:経腸栄養剤(エンシュア®)の飲み方の工夫について

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①浸透圧性下痢について

食べた物の浸透圧が高いと・・・

 腸で水分がきちんと吸収されない

下痢となる

浸透圧が高い食べ物や下痢の例

・糖分の消化吸収が良くないとき

・人工甘味料を摂り過ぎたとき
※ヘキシトール、ソルビトール、マンニトールなどの糖類

・牛乳を飲むと下痢する人(乳糖不耐症)
・食べ過ぎた翌日の下痢
・アルコールによる刺激でなる下痢など

補足:乳糖不耐症

ラクターゼ(乳糖分解酵素)の欠乏症
「乳糖を消化吸収できず、著しい下痢や体重増加不良をきたす疾患」
先天的なものと後天的なものがある。
先天的なものは非常に稀だと言われている。
後天的なものの例は、
感染性胃腸炎などで一時的にラクターゼの
活性が落ちている状態など

通常、ラク ターゼは小腸に存在する酵素である。
ラクターゼの働きで乳糖をグルコースとガラクトースに分解し
血液中に吸収できるようにしている。
この酵素が欠乏してしまうと・・・
牛乳を飲んだり乳製品を食べたりした時に
乳糖が分解されず小腸に蓄積する。
それが原因で水分が腸内に溜まってしまい下痢を起こす。

②経腸栄養剤と下痢について

浸透圧の高い栄養剤を投与

小腸上皮から腸管腔内に水分が移動する

腸粘膜での水分再吸収が上手くいかない

腸蠕動が亢進し、高浸透圧性の下痢を生じる

補足

・血管内の浸透圧は約300mOsm/Lであり、
1kcal/mL の半消化態栄養剤のほとんどは300~400mOsm/Lであるため
速度の調整に気をつける。

・経腸栄養剤の高浸透圧性
半消化態栄養剤<消化態栄養剤<成分栄養剤

・脂質含有量が多いほど起こりやすい。
脂質含有量が多くても中鎖脂肪酸であれば下痢は減る

・冷たい栄養剤も下痢の原因となる
※無理に温める必要はない。室温でOK

③エンシュア®リキッドの飲み方の工夫について

・常温、冷やして飲むのはOK

・温めたい場合
缶を開けずに、50~60℃で湯煎する。
煮沸や高温だとたんぱく質やビタミンが壊れてしまう

・凍らせると 脂質の分離などがあるためお勧めしない

・甘すぎて飲みにくいときの対応策

飲む直前に水か牛乳で薄めると良い

エンシュア®リキッドの補足

浸透圧は330mOsm/L(体液に近い)
乳糖を含まない

参考資料
わかりやすい病気のはなしシリーズ42
下痢の正しい対処法 一般社団法人日本臨床内科医会
日本内科学会雑誌第102巻第1 号・77~82,2013
エンシュア®リキッド 添付文書

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