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その他 便秘・下痢(緩下薬・止瀉薬) 胃腸・消化器関連

ポリスチレンスルホン酸Ca経口ゼリーやカリメートによる便秘 について~ラグノス®NF経口ゼリーも少し~

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ポリスチレンスルホン酸Ca経口ゼリーやカリメートによる便秘 について触れる。
ポリスチレンスルホン酸Ca経口ゼリー(アーガメイト®)やカリメート®が便秘を起こしやすいのは知られている。
どちらも成分は「ポリスチレンスルホン酸カルシウム」
カリメート®→興和
ポリスチレンスルホン酸Ca経口ゼリー・顆粒→三和化学・アステラス
※ケイキサレート®も同様の理由で便秘を起こしうる

①ポリスチレンスルホン酸Ca経口ゼリーやカリメートによる便秘の機序

イオン交換樹脂が水に溶けないため流動性が悪い。
不溶性・非吸収性

排泄が遅延した時に腸管内 に溜まる

蠕動運動の阻害及び腸管内容物の移送遅延

結腸で水分が吸収されることで硬結便になる

通過障害

便秘を引き起こす。

重篤な副作用として「腸管 穿孔」、「腸閉塞」を誘発するため注意が必要。

②便秘の頻度(添付文書参照)

だいたい10%弱ぐらいだが、アーガメイト®の方が少ない理由は、
添加物として「ソルビトール」、「アルチトール」のような便秘に効果がありうる
寒天が入っているため少しはマシ? なのだろうか・・・

ポリスチレンスルホン酸Ca経口ゼリー(アーガメイト®)

「総症例48例中、副作用が報告されたのは8例(16.7%)で あった。いずれも消化器症状であり、便秘4件(8.3%)、 嘔気3件(6.3%)、食欲不振、嘔吐、下痢が各1件(2.1%) であった4)。[承認時]」

カリメート®

「カリメート散の承認時の臨床試験及び市販後の副作用頻度調査において報告された症例1,182例(経口投与)中、151例(12.8%)に169件の副作用が認められている。主な副作用は便秘109件(9.2%)、食欲不振18件(1.5%)、悪心16件(1.4%)等であった。また、臨床検査値の変動は13件(1.1%)に認められている。その内容は低カリウム血症であったが、これは投与量の増減により調節できるものである
(副作用頻度調査終了時)」

③便秘に対する薬(比較的適している薬剤)

水分が体内に吸収されることで硬結便となるので
水分を補えるタイプの薬の方がよい?

ラクツロース(モニラック®、ピアーレ®、カロリール®、ラグノス®)

ラクツロースは、フルクトースとガラクトース各1分子から合成された人工二糖類

肝硬変などの肝不全傾向のある便秘症に使われる。
浸透圧作用により便を軟らかくするタイプ(浸透圧性下剤)
また酸性化することによって腸内細菌によるアンモニアの発生を抑制する。
効果は1日目から7日くらいで発揮する

※ラグノス®NF 経口ゼリー分包について(インタビューフォームを参照) 

「原薬をラグノス®ゼリー分包 16.05 gの「日局」ラクツロースから結晶ラクツロースに変更することにより、夾雑物であるガラクトースや乳糖を少なくした製剤であり、また、ラクツロース起因の甘み抑制と服薬性向上、さらにスティック包装による携帯利便性向上を目的として開発した経口ゼリー剤」

2018年9月に、
「慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)」、
「高アンモニア血症に伴う下記症候の改善 精神神経障害、手指振戦、脳波異常」、
及び「産婦人科術後の排ガス・排便の促進」の効能・効果にて承認を取得している

参考資料
アーガメイト®ゼリー添付文書、インタビューフォーム
カリメート®添付文書、インタビューフォーム
ラグノス ® NF 経口ゼリー分包 インタビューフォーム