①体内での分泌量は?
体内での分泌量はどれくらいなのだろうか
健常な成人の副腎皮質からのヒドロコルチゾン換算で
1日に10mgから15mgほどのステロイドが分泌されている。
※ステロイド内服1錠には、原則として成人分泌量ないし半分量を含んでいる。
②ステロイドの比較について
4つの群に分けて整理すると分かりやすいらしいので
とりあえずざっくりとまとめた。
第一群:ヒドロコルチゾン(コートリル®)
副腎皮質ステロイドホルモン(内因性ステロイド)で
生理的な作用を求めるときに適する。
副腎不全の際の補充療法などに用いる。
ミネラルコルチコイド作用が強いため大量投与は不適である。
ミネラルコルチコイド作用が強いと、 腎尿細管でのナトリウム吸収を促進し、浮腫をきたすので注意。
第二群:プレドニゾロン(プレドニン®)
ヒドロコルチゾンに対して(力価比)
ミネラルコルチコイド作用→0.8倍
グルココルチコイド作用→4倍
抗炎症作用は一般的に5~10mg以下で用いる。
免疫抑制作用は30mg以上で用いることがある。
第三群:メチルプレドニゾロン(メドロール®)、トリアムシノロン(レダコート®)
ヒドロコルチゾンに対して(力価比)
ミネラルコルチコイド作用はほとんどない
グルココルチコイド作用→5倍
免疫抑制薬として使われるのは、
主にプレドニゾロンとメチルプレドニゾロンである。
※メチルプレドニゾロンの方が免疫抑制作用は強い
※トリアムシノロンは、ナトリウムの蓄積が少ない。
第四群:デキサメタゾン(デカドロン)
ヒドロコルチゾンに対して(力価比)
ミネラルコルチコイド作用はない
グルココルチコイド作用→25倍
半減期が長く、受容体親和性が高いため
(ヒドロコルチゾンとプレドニゾロンより抗炎症作用が強い)
また、副作用も強いため、長期に服用するのには向かない
※胎盤通過性は、プレドニゾロンより高い
※ナトリウム蓄積性は少ない
③その他の特徴
・ プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン(メドロール®)、トリアムシノロン
は、肺への移行性や皮膚移行性に優れている。
・トリアムシロン(外用)は口内炎に使われる
・3群と4群は、ミネラルコルチコイド作用が少ないのでパルス療法で使われる
・1日投与量が同じ場合、朝1回よりも夕1回投与、
1日1回投与よりも分割投与の方が有効性は増す。
※少量投与の場合は、生体リズムを変えないため朝1回の方がよい
目にするのも朝の服用が多い気がする
・プレドニゾロン換算で5mgを越えると副作用の発生頻度が増加する。
※用量依存的
・長期投与で注意は、骨粗しょう症、高血圧、糖尿病、脂質異常症等
→動脈硬化につながるので注意
・自己中止することによる副腎不全→ショックが起こることがあるので
注意する。しっかり指導すること
参考資料
各薬剤の添付文書
今日の治療薬2019
化学構造と薬理作用 第二版