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循環器 腎臓関連

リバーロキサバン(イグザレルト®)と腎機能

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病名によって腎機能による禁忌基準が違うので服薬指導のときは確認してほしい。病名が分からないと腎機能による評価が出来ないので重要なことである。
他のDOACとのちょっとした違いとして「細粒」があるのがいい。 

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リバーロキサバン(イグザレルト®)と小児適応について 

①リバーロキサバン(イグザレルト®)

適応症(効能・効果)

・非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
・深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制

作用機序

選択的かつ直接的にXa因子を阻害するタイプの抗凝固薬

手術前中止の目安

DOACの半減期は、ワーファリンより短い。
イグザレルト®の半減期は、5.7時間から12.6時間であるため
手術1日前中止でOK

飲み忘れた場合

飲み忘れた場合の対応は添付文書に記載されている。
抗凝固作用を示すためには、1日1回飲む必要があり
また、間隔としては12時間あけることがポイント。
半減期を頭に入れておくとイメージしやすいと思う。

添付文書の記載
「服用を忘れた場合は直ちに本剤を服用し、翌日から毎日1回の服用を行うよう患者に指導すること。服用を忘れた場合でも、一度に2回分を服用せず、次の服用まで12時間以上空けるよう、患者に指導すること。」

②腎機能と禁忌

「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」の場合

腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)の患者に禁忌である。

※クレアチニンクリアランス15~49mL/minの場合は、10mgを1日1回で服用する必要がある。添付文書の抜粋は下記

「クレアチニンクリアランス30~49mL/minの患者には、10mgを1日1回投与する。クレアチニンクリアランス15~29mL/minの患者には、本剤投与の適否を慎重に検討した上で、投与する場合は、10mgを1日1回投与する。」

「深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制」の場合

重度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者に禁忌である。

腎機能低下者でのデータ

重度の腎障害患者の場合(クレアチニンクリアランス5~29mL/min)は、
腎機能が正常な人(クレアチニンクリアランス80mL/min)と比べて
AUCが1.6倍
第 Xa 因子活性阻害率が2倍
プロトロンビン時間が2.4倍延長

かなり体内動態が変わるので一度データに目を通しておくといいと思う。
データの患者対象が8例なのが気になるけれど・・・

インタビューフォームより
「軽度(クレアチニンクリアランス 50~79mL/min)、中等度(30~49mL/min)及び重度(5~29mL/min)の腎障害患者各 8 例に本剤 10mg を空腹時単回経口投与した際、健康被験者(80mL/min 以上)と比較し AUC はそれぞれ1.4、1.5 及び 1.6 倍に上昇した。第 Xa 因子活性阻害率は 1.5、1.9 及び2.0 倍に増加し、プロトロンビン時間(PT(秒))も 1.3、2.2 及び 2.4倍延長した。クレアチニンクリアランスが 15mL/min 未満の患者における検討は実施していない。」

参考資料
イグザレルト®添付文書、インタビューフォーム