" />

糖尿病・糖尿病治療薬 腎臓関連

SGLT2阻害薬と腎機能~各薬剤の添付文書上の共通部分と違いについて~

スポンサーリンク

SGLT2阻害薬は、腎機能が落ちてくると効果が見込めないという理由で投与の検討行う必要がある。
腎保護作用や腎障害については別記事で詳しく述べている。
今回はあくまでも添付文書上の記載にのみスポットを当てることにする。
6成分、7製品が現在発売されている(2020年6月現在)

イプラグリフロジン(スーグラ®)
トホグリフロジン(アプルウェイ®、デベルザ®)
ルセオグリフロジン(ルセフィ®)
ダパグリフロジンプロピレングリコール(フォシーガ®)
カナグリフロジン(カナグル®)
エンパグリフロジン(ジャディアンス®) 

関連記事
SGLT2阻害剤と腎機能について~腎保護作用と急性腎障害~

①共通部分

7製品の共通部分について載せる。
腎機能が落ちてくると効果がない!ということで「投与しないこと」と記載があるので注意する。

効能・効果の関する使用上の注意について

「高度(重度の)腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者では本剤の効果が期待できないため,投与しないこと。」

「中等度腎機能障害患者では本剤の効果が十分に得られない可能性があるので投与の必要性を慎重に判断すること」

※高度(重度)の腎機能障害:eGFR が15~30mL/min/1.73m2未満の人
※中等度腎機能障害:eGFR が 30~60mL/min/1.73m2未満の人

②違い

慎重投与の項

慎重投与の項に中等度腎機能障害のある患者の記載があるのは、下記の3製品である。他の薬剤にはない記載である。
・ダパグリフロジンプロピレングリコール(フォシーガ®)
・カナグリフロジン(カナグル®)
・エンパグリフロジン(ジャディアンス®)

重要な基本的注意

「血清クレアチニン値の上昇」と「eGFRの低下」の確認を促す記載があるが、
eGFRの数値が明確に書かれているかが違う。

・eGFRの数値記載のない3製品
イプラグリフロジン(スーグラ®)
トホグリフロジン(アプルウェイ®、デベルザ®)
ルセオグリフロジン(ルセフィ®)

「本剤投与により、血清クレアチニンの上昇又はeGFRの低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査するとともに、腎機能障害患者における治療にあたっては経過を十分に観察すること。」

・eGFRの数値記載のある3製品

ダパグリフロジンプロピレングリコール(フォシーガ®)
カナグリフロジン(カナグル®)
エンパグリフロジン(ジャディアンス®)

「本剤投与により、血清クレアチニンの上昇又はeGFRの低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査すること。腎機能障害患者においては経過を十分に観察し、継続的にeGFRが45mL/min/1.73m2未満に低下した場合は投与の中止を検討すること。」

ジャディアンス®のインタビューフォームには、中等度の腎機能障害で
「AUCは高くなるが、Cmaxに影響はしないことが分かっている」と記載がある。また、なぜeGFRが45に設定されているかの1つの理由として
インタビューフォームの慎重投与の解説が参考となる。
eGFR が 30 以上 45 未満の人はプラセボ群と比較して尿路感染症や腎障害の発現が増加すると書かれている。

※インタビューフォームの記載(ジャディアンス®)
「正常腎機能患者と軽度,中等度及び高度腎機能障害患者いずれにおいても安全
性に問題は認められなかった。また,エンパグリフロジン 25mg 単回投与時に腎機能障害群では正常腎機能群と比べて AUC0-∞は高く,腎機能障害の重症度が高いほど増加した。腎機能障害はエンパグリフロジンの Cmaxに影響を与えなかった。しかしながら,国内外の 2 型糖尿病患者を対象とした試験の併合解析における中等度腎機能障害患者では,尿路感染関連事象及び腎障害の発現割合がプラセボ群と比較して高く,eGFR が 30 以上 45 未満(mL/min/1.73m2)の集団において,投与中止に至った有害事象,尿路感染関連事象,性器感染関連事象及び腎
障害の発現が本剤群でプラセボ群と比較して多い傾向が認められている。」

参考資料
各薬剤の添付文書、インタビューフォーム