①経口補水液について
経口補水療法ORS(Oral Rehydration Therapy )とは?
軽度から中等度の脱水が起きた場合に失われた「水分」や「電解質」
を補うためナトリウムなどの電解質とブドウ糖を一定の割合で配合した
補水液を摂取させる療法
経口で効果があるのか?
コレラ患者に対して行われた試験で
「経静脈輸液の投与」と同等の治療効果があることが証明されている。
→点滴並に効果を期待出来る面がある。
経口補水液の組成と効果について
脱水の状態では「水分」+「電解質」の欠乏が起きている。
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「電解質」も失われていることから水やお茶などでは不十分である。
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経口補水液には、少量のブドウ糖が含まれる。
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適切なブドウ糖濃度は「ナトリウム」の吸収を促進する。
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それに伴って水分の体内への吸収が促進される。
※ ナトリウム・ブドウ糖の共輸送体が関係している。
(体内では一緒に動くことが多い)
OS-1のナトリウム組成
ナトリウム50mEq/L
これぐらいの濃度のものが効果が高い。
スポーツドリンクは9mEq/L~23mEq/Lぐらい。
OS-1の味に関して
「脱水」状態の時は「おいしい」と感じるが
「脱水でない」時では、「しょっぱい」と感じることが多い。
※アクアソリタ(味の素)は、甘く作ってある。
脱水の有無で味が変わるOS-1の方が個人的に好み。
今必要かどうかを味で判断出来るので良い面がある。
また、脱水症というイメージが強いが、状態としては
「嘔吐」・「下痢」・「二日酔い」の人にもオススメ。
余談だが、小児科の医師によっては「脱水症」や「胃腸炎」の小児に
薬を処方せず、経口補水液を飲むように指導する先生もいる。
②スポーツドリンクについて
経口補水液と比較して、電解質も含むが一般的に電解質濃度が低く
(ナトリウムの濃度が低い)
さらに、糖分が多い。
「水分補給」には適しているが、「脱水状態の改善」には適していない 。
例)ポカリスエット、アクエリアスなど
③おまけ:爪床(そうしょう)試験とは?
毛細血管補充試験とも言われる。
夏場は、脱水症が心配・・・
絶対的ではないが簡易的な検査のやり方をざっくりとご紹介
爪を白くなるまで押さえる
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指を離して2秒ぐらいで元の色に戻ればOK
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ただし、元の色に戻るのに2秒以上かかったら・・・
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中等度以上の「脱水」、「ショック」、「低体温症」などが疑われる。
成人、小児関係なく使えるので便利である。
高齢者などには、家族の方がやってみてはどうだろう。
参考資料
大塚製薬 問い合わせ