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動画 呼吸器疾患

エナジア ®吸入用カプセルの特徴について

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エナジア 吸入用カプセルの特徴についてまとめる
長時間作用性β2刺激薬(LABA)であるインダカテロール酢酸塩、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)であるグリコピロニウム臭化物、及び吸入ステロイド剤(ICS)であるモメタゾンフランカルボン酸エステル(MF)の配合剤である。

アテキュラ®に長時間作用性抗コリン薬(LAMA)を追加した製剤である。
喘息治療薬としての3剤併用は、エナジア®が初めてである。
いくつも吸入薬を併用することがないので何回も吸入するストレスを減らすことが出来る。

LAMA/LABA/ICSと表記されたりする。

エナジア ®吸入用カプセルの特徴

効能・効果

気管支喘息(吸入ステロイド剤、長時間作用性吸入β2刺激剤及び長時間作用性吸入抗コリン剤の併用が必要な場合)

※既存の3剤配合のものはCOPDへの適応しかなかった。
2020年現在では、エナジア®のみ喘息の適応がある。
ビレーズトリ®、テリルジー®に喘息の適応はない

※喘息に用いる吸入剤なので注意すること

※本剤は発現した発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、急性の発作に対しては使用しないこと
追加吸入が可能な吸入剤もあるため、急性では使えないことを説明する必要がある。

用法・用量

「通常、成人にはエナジア吸入用カプセル中用量1回1カプセル(インダカテロールとして150μg、グリコピロニウムとして50μg及びモメタゾンフランカルボン酸エステルとして80μg)を1日1回本剤専用の吸入用器具を用いて吸入する。
なお、
症状に応じてエナジア吸入用カプセル高用量1回1カプセル(インダカテロールとして150μg、グリコピロニウムとして50μg及びモメタゾンフランカルボン酸エステルとして160μg)を1日1回本剤専用の吸入用器具を用いて吸入する」

2剤配合剤のアテキュア®と同じでモメタゾン(MF)の量が、低用量と高用量では違う。

※追加の吸入は不可能であることを確認しておくこと。
また、1日1回の吸入なので時間を決めるなどの工夫が必要である。

例えば、
「起きてすぐ吸入する」
「歯磨きの前に吸入する」
「夕食後に吸入する」
「寝る前に吸入する」
など

薬理作用

【長時間作用性β2刺激薬(LABA)インダカテロール(ICS)】

β2受容体を刺激することで気管支平滑筋を弛緩させる。

気管支の周りの筋肉を拡げる作用がある

【吸入ステロイド剤(ICS)であるモメタゾンフランカルボン酸(MF)】

グルココルチコイド受容体に結合

喘息関連遺伝子の転写活性を調節

抗炎症作用示す

喘息において気道炎症を制御して呼吸機能並びに喘息症状を改善させる

気管支の炎症を抑える

【長時間作用性抗コリン薬(LAMA)であるグリコピロニウム臭化物】

長時間作用性の抗コリン薬(ムスカリン受容体拮抗薬)であり、
気管支平滑筋のM3受容体に対しアセチルコリンと競合的に結合

アセチルコリンの作用を阻害

気管支収縮抑制作用を発揮する

※すべてのムスカリン受容体 M1~M5 受容体に対して高い親和性を示す

3剤併用することの意味は別記事を参照
吸入配合剤の意義~LABA・LAMA・ICS~

その他の特徴

・アテキュアからの変更の際は、モメタゾン(MF)の量は気にせず、アテキュア中用量とエナジア中用量は同じと考える。(MFとしての効果は同等)

・気管支喘息の方に初回からエナジアを使用してもOK(保険上問題ない)

・吸う力が少なくて済む。ストローでお茶が飲める人は吸える。
→強く吸う必要がない

おまけ:吸入器の使い方

参考資料
エナジア®添付文書、インタビューフォーム
ビレーズトリ®添付文書、
テリルジー®添付文書