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痔の治療と薬の使い分け・違い

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強力ポステリザン®軟膏、ポステリザン®F坐剤、ボラザ®G、ネリプロクト®、プロクトセディル®を取り上げています
痔の分類や生活指導のポイントはこちらを参照

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①痔の治療

一応添付文書上の適応の問題や指導の仕方も変わるので
どの痔かは、薬局業務でも確認する必要はあると思う。
そのため、相手のプライバシーや服薬指導する人の性別をどうするかなど気にする必要はあるだろう。
お尻の事は恥ずかしいので・・・

痔核(いぼ痔)の治療のイメージ

【急性の場合】
痔核の場合、基本的に炎症を繰り返しているので
ステロイドを含む外用剤を使用する。
また、炎症を抑える薬や痛み止めを内服する。

※ざっくりしたイメージ

痔核(炎症が強い)

「強力ポステリザン®」、
「プロクトセディル®」、
「ネリプロクト®」、

「ヘモナーゼ®」
「鎮痛薬」

急性炎症は1週間から2週間で落ち着いてくる

ボラザG®へ変えていく

※ネリプロクト®は高力価のステロイド含有のため1~2週間程度にとどめ
長期投与は避ける

裂肛(切れ痔)の治療のイメージ

痛みが強く、新鮮な浅い傷

ボラザG®を使用する

ただし、炎症がある場合は、強力ポステリザン®などを使う

※周辺に炎症性浮腫を伴う場合は、強力ポステリザン®を使うイメージ
※ステロイドと局所麻酔のみを含むネリプロクト®に適応はないので注意

②薬の使い分け・違い

強力ポステリザン・ポステリザンF

成分の量は若干1回量で違うが、強力ポステリザン®を坐薬にしたものがポステリザン®Fである。

【成分】
・大腸菌死菌浮遊液
・ヒドロコルチゾン(弱ステロイド)

【薬理作用】
・大腸菌死菌浮遊液
白血球の遊走能を高める作用があり感染症を防ぐ効果がある
また、肉芽形成を促進する作用もあり、傷の治りを促進する。

・ヒドロコルチゾン(弱ステロイド)
抗炎症作用がある。腫れ、痛み、かゆみなどに効果を示す

炎症を伴う痔に使いやすい。

※強力ポステリザンは1回使いきりなので使ったら捨てるように指導する
※くれぐれもノズル部分のみを入れること。全体を入れないこと。

【効能・効果】
「痔核・裂肛の症状(出血、疼痛、腫脹、痒感)の緩解、
肛門部手術創、肛門周囲の湿疹・皮膚炎、軽度な直腸炎の症状の緩解」

※「肛門周囲の湿疹・皮膚炎、軽度な直腸炎の症状の緩解」は強力ポステリザンのみ

ボラザG坐剤・軟膏

それぞれの1個あたりの量は、若干違うが効果は同じである。
ただし、適応が坐剤の場合は、「内痔核に伴う症状の緩解」のみである。

【成分】
・トリベノシド
・リドカイン

【薬理作用】
・トリベノシド
抗浮腫作用→腫れを引かせる作用がある

・リドカイン
局所麻酔作用で痛みを和らげる

※傷を治す作用もある
※ステロイドを含まないのが特徴

【効能・効果】

・軟膏
「痔核に伴う症状(出血、疼痛、腫脹)の緩解、
裂肛に伴う症状(出血、疼痛)の緩解、裂創上皮化の促進」

・坐剤
「内痔核に伴う症状の緩解」

ネリプロクト坐剤・軟膏

強めのステロイドを含んだ痔の薬剤である。
炎症がひどい場合に使うと良い。

【成分】
・ジフルコルトロン吉草酸エステル
・リドカイン

【薬理作用】
・ジフルコルトロン吉草酸エステル(かなり強力、ベリーストロング)
ステロイドなので抗炎症作用を示す

・リドカイン
局所麻酔作用で痛みを和らげる

※ポステリザンとの違いは、大腸菌死滅浮遊液なのか局所麻酔成分なのかと
ステロイドの強弱が違うので知っておくと良い

【効能・効果】
痔核に伴う症状(出血,疼痛,腫脹)の緩解

※軟膏と坐剤で適応は同じ

プロクトセディル坐薬・軟膏

抗菌作用があるところが特徴的である。

【成分】
・ヒドロコルチゾン
・フラジオマイシン硫酸塩
・ジブカイン塩酸塩
・エスクロシド

【薬理作用】
・ヒドロコルチゾン
弱ステロイドであり、抗炎症作用を示す。ポステリザンと同じステロイドを含む

・フラジオマイシン硫酸塩
抗菌薬である。

・ジブカイン
局所麻酔作用があり、痛みを抑える

・エスクロシド
出血の症状を改善する。

【効能又は効果】
痔核・裂肛の症状(出血、疼痛、腫脹、痒感)の緩解、
肛門周囲の湿疹・皮膚炎

※「肛門周囲の湿疹・皮膚炎」は軟膏のみである

参考資料
ポステリザン、添付文書、インタビューフォーム
ボラザG、添付文書、インタビューフォーム
ネリプロクト、添付文書、インタビューフォーム
プロクトセディル、添付文書、インタビューフォーム

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