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経皮的動脈血酸素飽和度 (SpO2)の基本について~パルスオキシメーターで測定できる~

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経皮的動脈血酸素飽和度 (SpO2)の基本がテーマである。
最近、新型コロナウイルス対策でも自宅療養の際に貸してもらえたり注目が集まっているが簡単にまとめる。
非侵襲的かつ簡便で非常に有用な測定器である。

使い方の例は下記の記事を参照
酸素飽和度モニタリング~パルスオキシメーターの使われる例・判断基準~

経皮的動脈血酸素飽和度 (SpO2)の基本

SaO2とSpO2

紛らわしいので最初に簡単に整理すると、
SaO2は、動脈血酸素飽和度(arterial oxygen saturation:SaO2)の事で
「血液中のヘモグロビンの何%が酸素と結合しているか」を表す。
重要なことは、動脈血酸素分圧(PaO2)と相関することである。
ただ、SaO2は、動脈血ガス分析装置で測定するため・・・
どこでもは測定できない。

そこで経皮的に簡単に測定できるように
パルスオキシメーターで測定したSaO2をSpO2と呼んでいる。
経皮的動脈血酸素飽和度SpO2(saturation of percutaneous oxygen)のことである。

経皮的なので「皮膚」から測定できるのが最大のメリット!

SpO2は、肺や心臓の疾患で体の酸素の量が減ると下がる。
加齢や運動によっても変化する。睡眠時無呼吸症候群の簡易的な検査にも使われている。

パルスオキシメーターの仕組み

なぜ測定できるのか?
指先に挟んだりするだけで動脈血酸素飽和素を知ることが出来る。
個人的に最初感動した・・・

ヘモグロビンの状態で光に対する反応が違う。
赤色光と赤外光の2つの波長の光を当てる。
この時の脈拍による透過光の変化で計算されるのだ。

ヘモグロビンには酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンがある。
・酸化ヘモグロビン→赤色光を透過する
・還元ヘモグロビン→赤色光を吸収する
この2つの違いに着目して吸光度の比からSpO2が算出されている。

基準値・判断すべき数値

健常者であればSpO2は、96%~99%の間
安静時でSpO2が95%以下なら専門医に相談すべき状態である。
90%を切ると呼吸不全と判断される。
ただし、個々人で違うため日頃のSpO2から3~4%低下した場合は、在宅医療の現場などでは、かかりつけ医に相談すべきである。

※ただし、96%以上でも動いたときに息苦しさがあるとか
気になるときは、この限りではない

測定時の注意

・冬場など血流が悪いと上手く測定できない。
少し手を温めるためにマッサージしたりすると良い。

・マニキュアは影響を受ける。特に緑色、青色、茶色は光を吸収してしまい、生体を透過する光が減少するため影響を受ける可能性がある。
黒色は少し理由が違うが、透過する光の強さを弱めてしまうのでダメ。
ケロイドや色素が沈着した皮膚も同様の理由で注意が必要である。

・パルスオキシメーターは、機械と関係ない外部の光が入り込むと影響を受けるため、屋外で測定する場合は、太陽の光が入らないように日が当たりにくい場所で測定した方が良い

・パルスオキシメーターは携帯電話の電磁波の影響を受けることがあるので注意
(携帯電話の使用をお断りしている医療機関の理由の1つ)

・動いて測定が上手く出来ない場合は、指に機械を付けて胸の辺りで固定して動かないようにすると良い。

参考資料
パルスオキシメーターハンドブック
日本呼吸器学会 肺生理学専門委員会編.臨床呼吸機能検査
第7版.東京:メディカルレビュー社2008