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ループ利尿薬の基本的な考えと使われ方について~今後追記予定~

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ループ利尿薬の基本的な考え

利尿剤の分類の中では、最も利尿効果が高い。
短時間型と長時間型がある。
・短時間型→フロセミド
・長時間型→アゾセミド、トラセミド
※トラセミドは、フロセミドとアゾセミドの中間的なイメージ

関連記事は下記を参照
トラセミド(ルプラック®)の特徴について 

アゾセミド(ダイアート®)の特徴について

作用機序

ヘンレ係蹄上行脚のNa+/K+/2Cl共輸送体を阻害

NaとK+とCL̠⁻の再吸収を抑制

ナトリウム利尿

浮腫の改善

※尿細管細胞間を通してCa2+とMg2+の再吸収も抑制する。
→低カルシウム血症や低マグネシウム血症の原因となる。

【フロセミドの場合】
利尿作用は、経口投与後1時間以内に発現し、約6時間持続する

注意点

以下にループ利尿薬を服用した際の一般的な注意点を列挙する。

・低カリウム血症に注意する
→投与開始2-3週間が特に注意
※心室性不整脈のリスクを上げてしまう
※Na再吸収阻害作用により、集合管への到達するNa量が増大
遠位尿細管でのNaとKの交換が増えるのでKが体外への排出が増える
また、循環血漿量が利尿作用で減ると、アルドステロンの分泌が亢進しKの排泄が増え、低カリウム血症を引き起こす。

・低ナトリウム血症(大量投与時)
・低マグネシウム血症
・低カリウム血症
・インスリン分泌が低下する

・聴覚障害
→ループ利尿薬が原因で「めまい」が起こることがある。
利尿剤が原因と分からず、ベタヒスチンやアデホスコーワなどが処方された場合多剤併用となりうるので注意が必要な副作用である。

・高尿酸血症
・代謝性アルカローシスを引き起こす

・低アルブミン血症の人は注意
→ループ利尿薬は、血液中でアルブミンと結合しており、糸球体濾過ではなく、近位尿細管の有機アニオントランスポーターなどから尿細管へ分泌される
そのため、低アルブミン血症を呈する人は、尿細管への分泌が減る

②使われ方・目的

フロセミドは適応症が多いが、多くの場合「浮腫」に用いる。
「心臓」、「腎臓」、「肝臓」の3つに絞って簡単易まとめる

ループ利尿薬と心臓

ループ利尿薬は心不全に対してうっ血改善、体液維持のために使われる。
浮腫やうっ血による労作時呼吸困難の症状を和らげる目的もある。

慢性心不全の患者に使用するにあたって
長時間型の方が短時間型より生命予後が良いことが分かっている
※利尿薬の使用は、死亡率、再入院率、QOLを改善することが分かっている
※利尿作用が発揮されて効果が落ちてくると・・・
利尿作用によって減った循環血漿流量のためにRAAS系や交感神経系の亢進
Na再吸収の促進が起きやすい。
作用時間が長いループ利尿薬では、この利尿効果低下時のRAAS系の亢進が起こりにくいと考えられる。

RAAS系:レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系
(renin angi- otensin aldosterone system)

ループ利尿薬と腎臓

腎臓関連の浮腫としては、ネフローゼ症候群や腎機能低下時に起こるものがある。ネフローゼ症候群では、低アルブミン血症により血管の中の浸透圧が低くなっているために浮腫が起こる。
単純に水分を抜くためにループ利尿薬を用いる。

ループ利尿薬と肝臓

肝硬変では、「肝細胞の線維化による門脈圧の上昇」や
「アルブミンの合成能の低下」による細胞外液の血管外漏出が起こる。
そのため、有効な循環血液量が減少したり、腹水(浮腫)の症状が出る。

意外と利尿薬を選択する上でヒントになるのが
有効循環血液量の低下によるRAAS系が亢進である。
レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の亢進が腹水に影響しているため
抗アルドステロン作用のあるスピロノラクトンがよく使われる。それでも効果が不十分な場合にループ利尿薬を重ねたりする。
カリウム系の副作用などを考えて併用されるケースは多い。

※ただし、電解質へ影響しないトルバプタン(サムスカ®)の単独投与も最近は注目されている。

サムスカ®の単独投与のことは下記の記事を参照のこと
トルバプタン(サムスカ®)について~単独投与可能な場合は?~ 

参考資料
ラシックス®添付文書、インタビューフォーム
ルプラック®添付文書、インタビューフォーム
ダイアート®添付文書、インタビューフォーム