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ユーパスタコーワ軟膏の特徴について~ガイドライン上の位置づけ~

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ポピドンヨード・シュガーのことである。簡単に整理する

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①ユーパスタコーワ軟膏の特徴

深い褥瘡の分類である「黒色期から黄色期」の潰瘍によく用いる軟膏である。
「ポピドンヨード」+「白糖」を主成分とした軟膏。

効能・効果

「褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)」

用法・用量

「症状及び病巣の広さに応じて適量を使用する。潰瘍面を清拭後、1日1~2回ガーゼにのばして貼付するか、又は患部に直接塗布しその上をガーゼで保護する。」

薬理作用・作用機序

・白糖→創傷治癒作用
・ポピドンヨード→殺菌作用

また、肉芽形成と表皮再生の期待が出来る。
壊死細胞の除去能力は高くないが、肉芽形成作用により軟化した壊死組織を除去する作用がある。

ポピドンヨード、つまり「ヨウ素」を含むため感染コントロールに使われる。

※壊死を伴う深い褥瘡の初期は感染症にも注意が必要である
褥瘡の感染症に用いる外用剤のざっくりしたイメージは、
浸出液が多い場合→カデックス®軟膏、ユーパスタ®軟膏
浸出液が少ない場合→ゲーベン®クリーム

※褥瘡のポケットがある場合
感染症のリスクが高いのと体動によるズレが起こりやすいため、
ユーパスタ®軟膏が使われるケースは多い。
カデックス®は毎回洗浄しないといけないので注意
滲出液が少ない場合は、ゲーベン®クリームも使える

その他の特徴

基剤はマクロゴールであり、さらに、白糖を含んでいて吸水性が高い。
白糖による高浸透圧のおかげで浮腫を軽減することが出来る。
その結果、肉芽形成を促す作用もある。
ただし、その吸水性のため皮膚の乾燥には十分注意する必要がある。

マクロゴールが水溶性基剤のため、水で洗い流すことが出来る

※吸水性はユーパスタ®軟膏>カデックス®軟膏

注意点

・ヨウ素過敏症の患者には使えない
・さらに甲状腺疾患を持つ人は注意する
・吸水性が高いため皮膚の乾燥に注意
・他剤と混合して使えない
(あくまで添付文書上であり・・・専門医は混ぜるケースあり)
・ユーパスタコーワ軟膏分包8gを使う場合、吸湿性があるため開封後はすぐに使うこと。
・容器の場合も吸湿性が高いので使用後はしっかり閉める

②ガイドライン上の位置づけ

褥瘡管理・予防ガイドライン2015

・滲出液が多い→B
・感染・炎症がある場合→B
・肉芽形成期→B
・創縮小→B

・臨界的定着→C1
・壊死組織→C1
・ポケット(滲出液多め)→C1

※B:根拠があり、行うように勧められる
※C1:根拠は限られるが、行ってもよい

褥瘡診療ガイドライン2017

・深い褥瘡で感染がある場合→1A
・深い褥瘡(黒色期~黄色期)、滲出液が多い→1A
・深い褥瘡のポケット→1B
・深い褥瘡(赤色期~白色期)、滲出液が多い→1B

※1:推奨する
※エビデンスレベルの強さは、A>B(AからDまであり、Aが最も強い)

参考資料
ユーパスタコーワ軟膏、添付文書、インタビューフォーム
日本褥瘡学会編:褥瘡管理・予防ガイドライン,第4版、褥瘡会誌,17:487-557、2015.
日本皮膚科学会:褥瘡診療ガイドライン.日皮会誌,127:1933-1988,2017