ケフラールとケフレックスの違い ~セファクロルとセファレキシンの比較~
最近は、第三世代セフェムは使わないケースが多くなってきた。
耐性菌の問題や吸収率の悪さ、グラム陽性菌に対しては効果が弱いからだ。
そんな中、セファレキシンやセファクロルといった第一世代セフェムが使わるケースが多くなっている。
その違いについて簡単にまとめる。
ちなみに、セファクロルはセフェム系の第二世代に分類されることもある。
(定義的なものが難しい。どっちなのだ?開発された時期なんだが・・・)
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セファクロルとセファレキシンの違い
セファクロル(ケフラール®)とセファレキシン(ケフレックス®)の違いについて簡単に見ていく
用法・用量
セファレキシン(ケフレックス®)は、本来のカプセルであれば1日4回服用する必要がある。ただし、改良されたL-ケフレックス顆粒であれば1日2回の服用でよい。L-ケフレックス顆粒は、持続性製剤の1つで溶出 pH の異なる2種類の顆粒を含む。胃溶性顆粒と腸溶性顆粒をそれぞれ30%と70%の割合で配合されており血中濃度を速く高め、効果が持続できるようになっている。
セファクロル(ケフラール®)は、ケフレックスカプセルと違い1日3回の服用で良いので使いやすい。さらに、L-ケフラール顆粒もL-ケフレックスと同様に1日2回の服用で良い。
【セファレキシン(ケフレックス®)】
・ケフレックスカプセルの場合
「通常,成人及び体重20kg以上の小児にはセファレキシンとして1回250mg(力価)を6時間ごとに経口投与する。
重症の場合や分離菌の感受性が比較的低い症例には1回500mg(力価)を6時間ごとに経口投与する。なお,年齢,体重,症状により適宜増減する。」
・L-ケフレックス顆粒の場合
「通常,成人及び体重20kg以上の小児にはセファレキシンとして1日1g(力価)を2回に分割して,朝,夕食後に経口投与する。重症の場合や分離菌の感受性が比較的低い症例にはセファレキシンとして1日 2g(力価)を2回に分割して,朝,夕食後に経口投与する。なお,年齢,体重,症状により適宜増減する。」
【セファクロル(ケフラール®)】
・ケフラールカプセルの場合
「通常, 成人及び体重20kg以上の小児にはセファクロルとして1日750mg(力価)を3回に分割して経口投与する。重症の場合や分離菌の感受性が比較的低い症例には1日1500mg(力価)を3回に分割して経口投与する。なお,年齢,体重,症状等に応じ適宜増減する。」
・L-ケフラール顆粒の場合
「通常,成人及び体重20kg以上の小児には,セファクロルとして1日750mg(力価)を2回に分割して,朝,夕食後に経口投与する。重症の場合や分離菌の感受性が比較的低い症例には,セファクロルとして 1 日 1500mg(力価)を2回に分割して, 朝, 夕食後に経口投与する。なお,年齢,体重,症状等に応じ適宜増減する。」
効果面
どちらもグラム陽性菌(レンサ球菌、黄色ブドウ球菌)に感受性が高い。大腸菌への効果は、セファクロルの方がセファレキシンより高い。
ケフラールカプセルの添付文書には下記のような記載もあるので目を通しておくと良い
「細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を発揮し,作用は殺菌的である。セファレキシンより低濃度・短時間で殺菌に至らしめる」
ケフラールの方が効果は速い。
バイオアベイラビリティ
生体内への吸収率も第三世代セフェムより高いのが特徴である。
どちらもほとんど吸収されるのがポイントである。
・セファレキシン:90%
・セファクロル:93%
参考資料
ケフラール®添付文書、インタビューフォーム
ケフレックス®添付文書、インタビューフォーム
L-ケフラール顆粒、添付文書、インタビューフォーム
L-ケフレックス顆粒、添付文書、インタビューフォーム