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便秘・下痢(緩下薬・止瀉薬)

ブリストル便形状スケール を活用しよう~分類や評価方法の整理~

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ブリストル便形状スケール を活用しよう

ブリストル便形状スケール は、便の状態を硬さ別に7つの段階で評価するためのものである。
腸を流れるスピードと便に相関があり、通過時間が速いと下痢になる。

ブリストル便形状スケール

ブリストル大学のへーリング博士が考案したもので1990年に医学誌で発表された

分類

  • 「1」:硬くてコロコロの兎糞状の排便困難な便
  • 「2」:ソーセージ状であるがデコボコした塊状の便
  • 「3」:表面にひび割れのあるソーセージ状の便
  • 「4」:表面が滑らかで柔らかいソーセージ状、あるいは蛇のようなトグロを巻く便
  • 「5」:はっきりとした断端のある柔らかい半固形の便(容易に排便できる)
  • 「6」:端がほぐれて、ふにゃふにゃの不定形の小片便、泥状の便
  • 「7」:水様で固形物を含まない液体状の便

評価方法

1~2→腸内の停滞時間が長く、便秘と判断する(硬便)
3~5 →正常便、特に「4」が理想便とされている
6~7→ 柔らかすぎて、下痢の状態、水様便
※便の硬さだけでなく、便の量や色、においも大切なことは忘れてはいけない

薬剤師業務でも非常に使いやすい。
単純な評価なので、例えば「1」の硬便の人に酸化マグネシウムが処方された場合、次の服薬指導の際にどの番号になったか確認することで適量なのか・・・多いのか・・・など判定することが出来る。
ちなみに臨床試験のデータの1つとしても使われてきている。
次のその1例を挙げる。

ブリストル便形状スケール 臨床試験の例

グーフィス®錠の副次評価項目
[副次評価項目]有効性「国内第Ⅲ相試験」
「Bristol便形状スケールに基づいた便硬度(FAS) Bristol便形状スケールの1週間あたりの中央値(Mean±SD)は、観察期間第2週においてプラセボ群2.1±1.2、グーフィス®群2.4±1.1、投与期間第1週においてプラセボ群2.5±1.2、グーフィス®群4.4±1.3、投与期間第2週においてプラセボ群2.7±1.4、グーフィス®群4.2±1.2であり、投与期間第1週、第2週ともグーフィス®群のBristol便形状スケールに基づいた便硬度の中央値はプラセボ群に対して有意に大きかった(投与期間第1週、第2週ともにp<0.0001 Wilcoxon 順位和検定)」

非常に効果のイメージもしやすいので活用してみてはどうだろうか

参考資料
Lewis SJ , et al. Scand J Gastroenterol 1997;32:920-924
Nakajima A, et al.:Lancet Gastroenterol Hepatol 2018;3(8):537-547
グーフィス、インタビューフォーム