" />

糖尿病・糖尿病治療薬

ロエムヘルド症候群 とα-グルコシダーゼ阻害薬について

スポンサーリンク

ロエムヘルド症候群 とαグルコシダーゼ阻害薬について簡単にまめとる。
添付文書を読んでいて、しばしば「この単語というか言葉は何?」というものがある。
個人的に新人の頃「ロエムヘルド症候群」って何だろう・・・となった。
意外と言葉は難しいが知っておくと服薬指導にも役立つ。

関連記事
α-グルコシダーゼ阻害剤による「おなら」は臭いのか?(質問)~各製剤の違いも少し~

ロエムヘルド症候群

ロエムヘルド症候群 とは?

胃のガス貯留が起こる

横隔膜が上に挙がる(腹部の症状が起こる)

心臓の位置が移動する(ズレる)

狭心症状を起こる
※時には、「動悸」が起こることもある
他には、「めまい」、「寒気」、「呼吸障害」、「胸痛」などがある。

α-グルコシダーゼ阻害剤との関連

上記の「胃のガス貯留」という言葉に注目してほしい。つまり、α-グルコシダーゼ阻害剤の有名な副作用として「お腹にガスが溜まる」「おならが増える」というものがある。
おならとしてガスが体外に出る場合はよいが、もしも出なかったら・・・
お腹が膨れて・・・圧迫されることになる。そのため、ロエムヘルド症候群とα-グルコシダーゼ阻害剤の関連があるのだ。
例:ボグリボース(ベイスン®)、ミグリトール(セイブル®)、アカルボース(グルコバイ®)

服薬指導上の工夫

α-グルコシダーゼ阻害剤には、糖尿病の方に使われる薬剤なので特に服薬指導に注意する必要がある。
外せない服薬指導として、
・ご飯のすぐ前に服用してください
・いたただきますの時に服用してください
・低血糖の際はブドウ糖と摂ってください。
・ブドウ糖じゃないとだめですよ
・お腹が張るとかオナラが増えることはありませんか?
など
色々あると思われる。
これに加えて「胸の不快感」や「動悸」が起こらないか?というのを加えてはどうだろうか

なぜ大事かと言うと、ロエムヘルド症候群ではないと判断して、動悸の薬が出てしまった場合などはポリファーマシーにつながりかねない。そのため副作用ではないか?というアンテナは必要だろう

添付文書上の記載

ボグリボース(ベイスン®)
特定の背景を有する患者に関する注意
「ロエムヘルド症候群、重度のヘルニア、大腸の狭窄・潰瘍等の患者
腸内ガス等の増加により症状が悪化することがある。」

副作用の項(腸閉塞)
「腹部膨満、鼓腸、放屁増加等があらわれ、腸内ガス等の増加により、腸閉塞(頻度不明)があらわれることがある。持続する腹痛、嘔吐等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと」
※そもそも腹痛などが持続する場合は中止する必要がある

※グルコバイ®、セイブル®も同一の内容記載あり

参考資料
ベイスン®添付文書
グルコバイ®添付文書
セイブル®添付文書