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呼吸器疾患

吸入後のうがいの理由と出来ない場合の対応

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吸入後のうがいの理由と出来ない場合の対応 について再度簡単に整理する。
以前は、おまけの1つとして紹介した。
今回は、そのテーマを拾い上げてまとめる。
高齢者施設のスタッフからは比較的多い質問だと思う。

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吸入後のうがいの理由と出来ない場合の対応

吸入したほとんどの薬剤は、口や喉に残ることが分かっている。80%くらいだとか。
肺に薬剤を送り込むのはとても大変な技術らしい。
うがいとしては、口の中をすすぐ「クチュクチュうがい/ブクブクうがい」と喉まですすぐ「ガラガラうがい」両方した方がよい。できれば複数回することをおススメする。

以前、高齢者施設の方から
「高齢すぎて吸入することが出来ないし、やっていない」ということを言われたことがある。
「何もしない」のはまずいだろう・・・と思ったが、何とか出来そうな対応を伝えるべきである。

吸入後のうがいの理由

吸入薬のうがいについては、一番外せないのはステロイドの成分を含むものである。
個人的には、高齢者であれば他の薬剤も「うがい」の指導はしていいと思う。
吸入のタイプや薬剤ごとに・・・うがいは「必要」「不必要」とか理解することが難しいし、おそらく長期にわたって吸入していくと勘違いが起こるからだ。成分ごとに吸入後のうがいをする理由やメリットを簡単に整理する。

【吸入ステロイド】
うがいは、口や咽頭にステロイドが残ることで起こってしまう「口腔カンジダ」「食道カンジダ」「咽頭通」「声の枯れ」「口内炎」などを防ぐために必要である。必ずうがいはすること。
「口内炎」は高齢者に多い悩みで繰り返す人は繰り返す・・・吸入が原因であれば「うがい」の指導は重要である。

【β2刺激薬(SABA、LABA)】
うがいは、口腔粘膜からの吸収によって起こる「動悸」「頻脈」「手の震え」などの症状を防ぐ意味がある。
絶対ではないが、うがいをした方が良い。
意外とメプチンエアーなどで「手の震え」を訴える人がいるので服薬指導で確認すべきである。

【吸入抗コリン薬(通常うがいの指導はしないことが多い)】
高齢者などで「口渇」「前立腺肥大症などの排尿困難」「心悸亢進」などが心配される場合は、うがいをした方が安全に長く続けることが出来る。

出来ない場合の対応

吸入が出来ない場合の対応をいくつか紹介する

・ドライパウダーからエアゾールに変更する
・介護者や看護者が口腔ケアを行う。在宅医療で寝たきりなどの方は大切
・食事の前に吸入する。食事をすることで胃の方にステロイド成分などを流すことができる。
・飲み物を口に含んだから飲み込む
・吸入前に水分で口の中を濡らす(吸入の際に着きにくくなる)
・どうしても何も出来ないときは、口の中に唾液を溜めて吐き出す

など色々対応はあるのでケースによって使い分けてはどうだろうか