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整形外科・骨

外用消炎鎮痛剤の第一世代と第二世代

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外用消炎鎮痛剤の第一世代と第二世代 について簡単に整理する。
意外と忘れがちなので覚えておくと便利である。
基本的には第二世代がよい。

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第一世代の温湿布と冷湿布

外用消炎鎮痛剤の第一世代と第二世代

最近では、第一世代はあまり使われてなくなっている。その理由について触れたいと思う。

第一世代

複数の成分が入っていて温湿布か冷湿布の形で発売されている。

【成分の例】
メントール、ハッカ、サリチル酸エチル、サリチル酸グリコールなどを成分としている。
主薬が1つでないのも特徴である。何種類か入っている。

【作用機序】
貼った場所に刺激を与えて、血行を改善し、鎮痛、消炎作用を示す
ただ、パップ剤による冷感刺激による鎮痛作用がメインである

※安全性は高い。
※サロンパスなどOTCとしても販売されている。

第二世代

非ステロイド性消炎鎮痛剤と(NSAIDs)呼ばれるもの。主薬は1つなのが特徴である。

【成分の例】
インドメタシン
ケトプロフェン(モーラステープ、モーラスパップ)
ロキソプロフェン(ロキソニンテープ)
エスフルルビプロフェン(ロコアテープ)
など

【作用機序】
シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することでプロスタグランジンの生合成を阻害することで炎症を抑える。

※NSAIDsによっては、「光線過敏症」に注意が必要なものがある。ロキソプロフェンテープなどは起こりにくい。
※アスピリン喘息の人は使えない。その場合は、第一世代を使用すると良い
※妊婦の場合は、第一世代の方が安全に使える。具体的に、第二世代の方は、妊娠後期に対して禁忌である。
※第二世代にも温感タイプや冷感タイプは存在する。
温感タイプの例:ラクティオンパップ(インドメタシン)

第一世代VS第二世代

第一世代が使われなくなった理由の最大の理由は、第二世代の方が効果が高いからである。
炎症を抑える作用が大切なので第二世代の方がよい。
改善度は第二世代の方が1.5倍くらい高い。また、使用期間も第二世代の方が短い。
また、内服薬のNSAIDsを併用しているケースも第二世代の方が少ないという報告がある
下記に報告されているデータの1つを示す。

【第一世代】
改善率36%
使用期間(週)9.6週
NSAIDs内服使用率(%)66%

【第二世代】
改善率48%
使用期間(週)6.0週
NSAIDs内服使用率(%)32%

参考資料
菅原幸子:Thcrapcutic Rcscach  11 , 698-704.1990
MS温湿布「タイホウ」添付文書、インタビューフォーム
ラクティオンパップ、添付文書、インタビューフォーム