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生薬・漢方薬

芒硝 とナトリウム量~無水ボウショウを含む漢方はご注意を~

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芒硝 とナトリウム量について簡単に触れる。漢方薬にもナトリウムが、比較的多く含まれるものがある。
それについて簡単に整理する。

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芒硝 とナトリウム量

芒硝(ボウショウ)を含む漢方はいくつか存在する。ボウショウについても簡単に触れる。
簡単に言うと、塩分制限を治療上指導されている患者の場合、無水ボウショウを含む漢方薬を服用する場合は、注意が必要である。

芒硝 とは?

主成分は、含水硫酸ナトリウム(十水和物)、Fe、Si、Alなどである。ナトリウムが含まれているのが分かる。
便が硬いものを治す薬能がある。緩下作用や便に水を補う作用を有している。
便秘や腹部膨満感に使われる漢方薬に配合される生薬である。

【例:防風通聖散】

ツムラの防風通聖散の効能・効果を引用すると
「腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘」

※肥満症のイメージは強いが、しっかりと「便秘」の文字が入っている。

【補足:妊婦に対する注意】
無水ボウショウは、子宮収縮作用があるので妊婦には使えない。

添付文書(防風通聖散)には、下記のような注意が記載されている。
「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。 [本剤に含まれるダイオウ(子宮収縮作用及び骨盤内臓器の充血作用)、無水ボウショウ(子宮収縮作用)により流早産の危険性がある。]」

※漢方だから安心というイメージは危険である。防風通聖散は、OTCとして購入することも出来るので本当に注意した方が良い。

ナトリウム量

ツムラやクラシエのの製品で「無水ボウショウ」を含むものは、「その他の注意」の項に下記のような記載がある。

「本剤には無水ボウショウが含まれているので、治療上食塩制限が必要な患者に継続投与する場合は注意すること。」

では・・・どれ程ナトリウムが含まれているのだろうか?

【無水ボウショウを含む漢方薬と量】
ツムラ漢方薬の1日量でのNa含有量mg(食塩換算量)

・大黄牡丹皮湯→301.5mg(0.77g)
・大承気湯→284.3mg(0.72g)
・通導散259.5mg(0.66g)
・桃核承気湯215.3mg(0.55g)
・調胃承気湯105.0mg(0.27g)
・防風通聖散102.8mg(0.26g)

1日量で見ると、大黄牡丹皮湯がツムラの製品では1番含まれている。
※これ以外の製品は9mg以下らしい。

参考資料
ツムラ問い合わせ
各漢方製剤の添付文書、インタビューフォーム