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検査値 胃腸・消化器関連

FIB4index について~肝線維化の指標~

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FIB4index について簡単に整理する。肝線維化の指標として使われている。

FIB4index について

一般的な血液検査の検査値から算出できるのが良い点である。

FIB4index とは?

「年齢(歳)」、「AST(IU/L)」、「ALT(IU/L)」、「血小板10^9/L」の4つの指標から計算する検査項目である。
4つの値を使うのでFIB4indexという名前になっている。

【計算式】
FIB4index=年齢(歳)×AST(IU/L) / ALT(IU/L)×√血小板10^9/L

FIB4index の意義

「肝臓の繊維化の進展度合い」を評価するために算出する。早期スクリーニングのための数値である。

通常、肝臓の線維化を診るためには、肝生検を行う必要がある。そのため、非侵襲的な方法があればということで使われるようになった評価項目である。
FIB4indexを使うことで早期に線維化の進行を発見できる可能性があるので有用である。

手軽に求めることが出来るので薬局薬剤師でも参考になるのではないだろうか。

慢性の肝疾患の場合、肝硬変や肝不全、肝がんへの進行を抑えることが治療の上で大切となる。
例えば、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、非アルコール性脂肪肝(NAFL)と非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に分類される。非アルコール性脂肪肝炎だったら肝硬変や肝がんへ進行するリスクがあるため、肝生検をする前に、線維化の具合が分かる指標があると助かるのである。
ちなみに2009年のShah氏の論文では、非アルコール性脂肪肝患者において、FIB4index「2.67」を基準として線維化症例の80%の陽性的中率を報告している。

※分母に年齢があるので必然的に年と共に数値は上がりやすい

基準値

「2.67」というのが1つのポイントとなる。2.67以上だったら専門医などで検査を受けた方がよい。

・1.3以下:肝疾患による線維化の進行リスクは低く、経過観察となる
・1.3~2.67:線維化が進行している可能性がある
・2.67以上:4割から8割の人が線維化が進んでいる。肝硬変などの可能性があるので注意

参考資料
Vallet-Pichard A et al. Hepatology 2007; 46: 32-36
Sumida Y et al. BMC Gastroenterol 2012; 12: 2

Sterling RK, Lissen E, Clumeck N, et al: Development of a simple noninvasive index to predict significant fibrosis in patients with HIV/HCV coinfection. Hepatology 2006; 43: 1317-1325.

Shah AG, Lydecker A , Murray K, et al: Comparison of noninvasive markers of fibrosis in patients with nonalcoholic fatty liver disease. Clin Gastroenterol Hepatol 2009; 7: 1104-1112.