アジルバ顆粒と小児 について簡単に整理する。成分は、アジルサルタンである。
2021年9月に6歳以上の小児に対する用法及び用量の追加承認、及びアジルバ顆粒1%の製造販売承認を取得している。
一般の人は、馴染みがないかもしれないが、高血圧症に悩む小児は少なからずいる
アジルバ顆粒と小児 について
・体重と年齢が大切
・低体重の小児は、副作用(腎機能・高カリウム血症)に注意すること
効能・効果
「高血圧症」
※アジルバ顆粒もアジルバ錠も高血圧にしか適応はない
用法・用量(小児)
〈小児〉
「通常、6歳以上の小児には、アジルサルタンとして体重50kg未満の場合は2.5mg、体重50kg以上の場合は5mgの1日1回経口投与から開始する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は体重50kg未満の場合は20mg、体重50kg以上の場合は40mgとする。」
※6歳以上に使うことが出来る
※体重が大切になってくる・・・
体重が軽い人は使えない?20㎏未満は使えない?
添付文書(小児等)に下記の記載がある。
「低出生体重児、新生児、乳児、6歳未満の幼児又は体重20kg未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。」
インタビューフォームに補足が書かれている。
「これまで低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施しておらず、6歳以上16歳未満の小児高血圧症患者を対象とした国内臨床試験では、体重20kg未満の小児は除外されていた。ただし、本項によって体重20kg未満の小児に対する投与が制限されるものではない点に留意すること。」
※つまり、20㎏未満は使えない訳ではない。今後のデータなども気にあるところ。やはり、使わなければならない傾向がある。
特に副作用に注意する
特に、小児は、成人よりも注意が必要である。
「腎機能及び血清カリウム値を注意深く観察すること。小児等の高血圧では腎機能異常を伴うことが多い。特に、腎機能に影響を及ぼす状態(発熱、脱水)の患者に本剤を投与する場合や血清カリウム値を上昇させる可能性がある他の薬剤と併用する場合は注意すること。」
※「小児等の高血圧では腎機能異常を伴うことが多い」と書かれている。
小児の本態性高血圧は「肥満」が多い。ただし、2次性の高血圧の場合は、「腎臓」が関連したものが6割から8割を占める。
年齢が低いほど2次性高血圧が疑われる。逆流性腎症や先天性腎尿路奇形による腎不全などがある。
補足:副作用の頻度
50㎏未満の小児は、50㎏以上の小児より副作用に注意する必要がある
ただ、あまりに母数が少ないので今後の報告やデータの蓄積を待つ必要があると思う
インタビューフォームより引用
「治験薬との因果関係が否定できない有害事象の発現頻度は、全体で44.4%(12/27例)であった。全体で5%以上にみられた副作用は、浮動性めまい7.4%(2/27例)、頭痛7.4%(2/27例)及び腎機能障害7.4%(2/27例)であった。試験期間中に死亡例はみられなかった。重篤な有害事象の発現頻度は、全体で7.4%(2/27例)、体重50kg未満では9.1%(2/22例)であり、50kg以上ではみられなかった。体重50kg未満では、水痘1例、腎移植拒絶反応、移植腎の合併症及び急性腎障害各1例(同一症例)がみられた。このうち、急性腎障害については治験薬との因果関係は否定されなかった。腎移植拒絶反応の転帰は未回復であったが、その他の転帰はいずれも回復又は軽快であった。治験薬の投与中止に至った有害事象は、全体で3.7%(1/27例)、体重50kg未満では4.5%(1/22例)であり、50kg以上ではみられなかった。体重50kg未満では血中クレアチニン増加1例がみられた。治験薬との因果関係は否定されなかった。程度は軽度で、治験中止時点の転帰は未回復であったが、治験中止後の追跡検査で軽快であった。」
参考資料
アジルバ顆粒、添付文書、インタビューフォーム
高血圧ガイドライン2019