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循環器

エフィエントと虚血性脳血管障害後の再発抑制について~今後追記予定~

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エフィエントと虚血性脳血管障害後の再発抑制について簡単にまとめる。
エフィエント(プラスグレル)の「効能又は効果」への追加が令和3年12月24日に承認された。
追加された部分について触れていく

エフィエントと虚血性脳血管障害後の再発抑制について

使うには条件があるので注意すること!

効能又は効果

「虚血性脳血管障害(大血管アテローム硬化又は小血管の閉塞に伴う)後の再発抑制(脳梗塞発症リスクが高い場合に限る)」

※今までは、経皮的冠動脈形成術(PCI)が適応される「虚血性心疾患急性冠症候群」への適応だけだったが、今回より「脳」への適応が追加された形である。
※「大血管アテローム硬化又は小血管の閉塞に伴う」→抗血小板薬なので「非心原性のもの」に限るということ。心房細動由来のものは除外されている。

【添付文書の記載】
「虚血性脳血管障害の病型分類を十分に理解した上で、TOAST分類の大血管アテローム硬化又は小血管の閉塞に伴う虚血性脳血管障害の患者に投与すること。同分類のその他の原因による又は原因不明の虚血性脳血管障害の患者には、有効性が認められていないため投与しないこと」

※原因不明のものにも投与してはならない

用法及び用量

〈虚血性脳血管障害(大血管アテローム硬化又は小血管の閉塞に伴う)後の再発抑制〉

「通常、成人には、プラスグレルとして3.75mgを1日1回経口投与する。」

「低体重の患者(体重50kg以下)では、出血の危険性が増大するおそれがあるので、必要に応じて1日1回2.5mgへ減量も考慮すること」

※基本的には、3.75mgを使う
※「虚血性脳血管障害(大血管アテローム硬化又は小血管の閉塞に伴う)後の再発抑制」に適応のある規格は、2.5mgと3.75mgなので注意すること

空腹時は避けた方がよい理由

プラスグレルを空腹時に服用すると食後の服用よりCmaxが増加してしまうので避けた方が良い。AUCは変わらない。

【添付文書の記載】

「空腹時の投与は避けることが望ましい。空腹時は食後投与と比較してCmaxが増加する。」

「健康成人男性にプラスグレル20mgを単回経口投与したときの活性代謝物R-138727の薬物動態は、空腹時では食後投与と比較してCmaxが約3.3倍に増加したが、AUCに顕著な差は認められなかった」

「脳梗塞発症リスクが高い場合に限る」とは?

投与する条件は、以下のように添付文書に指定されている
「高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病、最終発作前の脳梗塞既往のいずれかを有する患者に投与すること。」
もう少し簡単に整理すると・・・
「高血圧症」、「脂質異常症」、「糖尿病」、「慢性腎臓病」の4つの疾患を持たない人は、1度目の脳梗塞では服用を開始することが出来ない。少し分かりにくいが、それを示しているのが「最終発作前の脳梗塞既往」である。
4つの疾患を持たない人は、2回目の発作から飲むことが出来る。

※薬剤師として服薬指導する際に、どこまで確認して記録する必要があるか今後調べる予定。薬局でのレセプトでコメントがいるのだろうか。

その他の特徴

クロピドグレルと違いCYP2C19による差がない。日本人はクロピドグレルが効きにくいのでプラスグレルの方が良いケースがある。
詳しい理由は、別記事でもまとめているので参考にしてもらえるとありがたい。

クロピドグレルとCYP2C19 について

参考資料
エフィエント、添付文書、インタビューフォーム